【モスクワ17日共同=佐々木健】グルジアによる南オセチア自治州への進攻を受けロシアが同自治州に軍事介入した問題で、ロシア大統領府は十七日、メドベージェフ大統領が欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領との電話会談で、同自治州の境界を越えてグルジア領内に侵攻したロシア軍の南オセチア側への撤退を十八日に開始すると伝えたことを明らかにした。
ロシアやグルジアが署名した六項目の和平原則はロシア軍の戦闘開始前の地域への撤退を規定。実際に撤退が始まれば、和平原則の履行に向けて前進することになる。
ロイター通信によると、サルコジ大統領は、和平原則に反してロシアの撤退が実現しなかった場合、ロシアとEUの関係に「重大な結果」をもたらすことになると警告した。
インタファクス通信によると、ロシア軍のノゴビツィン参謀次長は十七日、軍は撤退の準備作業を続けていると説明。また、紛争地域のアブハジア自治共和国にも電力を供給しているグルジア・イングリ川の水力発電所について「挑発やテロの標的になり得る」として、軍が管理下に置いていることを明らかにした。
十五日にメドベージェフ大統領と会談したドイツのメルケル首相は十七日、グルジアを訪れ、紛争の解決に向けてサーカシビリ大統領と会談した。