2008年08月14日(木) 10時43分
WSJ-ディア5-7月期7.1%増益、穀物価格上昇が寄与(ダウ・ジョーンズ)
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)農機大手の米ディア(NYSE:DE)が13日発表した5-7月期(2008年10月期の第3四半期)決算は、2年連続の穀物価格上昇が寄与し、7.1%の増益となった。同社は農機具を再び値上げする方針を明らかにしたほか、農機具の通期売上高見通しを上方修正した。
純利益は5億7520万ドル(前年同期は5億3720万ドル)、1株利益は1.32ドル(同1.18ドル)。売上高は17%増の77億4000万ドルだった。
トムソン・ロイターがまとめたアナリスト予想平均は、1株利益が1.36ドル、売上高は72億3000万ドルだった。
農業関連の売上高が伸びている一方で、同社はさまざまな逆風にさらされており、利益はアナリスト予想を下回った。このため同社株の13日終値は、前日比2.25ドル(3.24%)安の67.10ドルとなった。
穀物価格の上昇で、世界の農家は、より大きく高額の農機具を購入できるようになってきた。米国農家の収入は今年も堅調とみられている。米農務省は12日、今年の米国農家のトウモロコシ収穫量は過去2番目に多くなるとの見通しを明らかにした。
ディアの5-7月期の農機具売上高は35%増の45億4000万ドル。同社は、世界での農機具の通期売上高について、従来予想の35%増から38%増に上方修正した。さらに、同社は09年のコンバイン販売予想の70%相当をすでに受注しており、しかもその一部は価格設定前に受注したものだという。このことも、同社の農機具の需要が強いことを示している。
ただ、向こう数カ月は、コスト増と売上高の減少が利益を押し下げる可能性がある。米建設市場が低迷するなか、同社は建設・林業向け機械の世界での通期売上高見通しを、従来の3%減から約5%減に下方修正した。
また、通期の原材料費と輸送費が4億2500万-4億7500万ドル増加するとみており、その半分は8-10月期に集中することになりそうだという。同社は07年10月期の原材料・輸送費を公表していない。鉄鋼を中心としたこのようなコスト増を相殺するために、同社は一部のトラクターを最大7%値上げするとともに、09年のコンバイン販売価格も9-10.5%引き上げるとした。また、建設・林業向け機械も11月から4-9%値上げするという。
ドル安もディアの米国外での売上高を押し上げる要因となり、増益につながった。ロングボウ証券(オハイオ州クリーブランド)のアナリスト、イーライ・ラストガーテン氏によると、08年10月期はこれまでのところ、利益の約5%相当がドル安によるものだという。同氏は、ドルが現在の水準よりさらに大幅に下落しなければ、09年10月期にもこうした効果を期待するのは難しい」と指摘した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080814-00000016-dwj-biz