2008年08月13日(水) 11時12分
ラブホテルから見えるニッポンの性〜第5回(オーマイニュース)
最近、テレホンカードの新たな使い方を知った(後半ラブホテルの話につながるので、ご心配なく!)。
今や誰もが携帯電話を持っている時代だ。
私は物持ちがいいというか何というか、未だにテレホンカードを10枚以上持っており、正直使い道に困っていた。
そんな中、電車で衝撃的なシーンを見てしまった!
週刊誌の袋とじをテレホンカードでサッと開けるサラリーマンの姿である。無表情にも関わらず、必殺仕事人のような手さばきで素早く袋とじを開ける姿に、私は思わず見とれてしまった。(かなり脱線してますが、ちゃんとラブホテルにつながりますからね)
私は早速家に帰り、袋とじの付いてる雑誌を探した。
『ラブホテル進化論』(文春新書)の取材で、さまざまなメディアに登場したので、家には見本で送られてきた週刊誌や雑誌が山ほどある。そんな大量の雑誌の中から袋とじを見つけては、テレホンカードを使って次々と開いていった(もうそろそろラブホテル出てきます!)。
……すると、次々とエッチな写真が出てくるではないか! (先にエッチな写真が出てきてしまいましたね、すいません)
最初は、テレホンカードで袋とじを開けるということを目的にしていたはずなのに、私は次第に、開けたら出てくる女の子のハレンチな姿に「おおお!」となっていた(まるで中学生男子)。
しかし、よくよく見てみると、裸の女の子達はみんな結構楽しそうである。
グラビアアイドルから素人さんの投稿写真まで、開けたら出てきた女の子の写真はさまざまだったが、撮られることを楽しんでいる子が多いように思えた。中には、感動的なスタイルの裸もあって、これは残しておきたいだろうなあと勝手に共感した。(次です! いよいよラブホテルの話になります!)
次に気になったのは、撮影場所。プロのモデルさんはともかく、素人さんの写真はラブホテルで撮影されたものが多かった。ラブホテルで撮影された写真は、シーツの色と窓のつくりでわかる。中にはどこのホテルか一目でわかった写真もあった(←変な特技)。
確かに、現在は誰でもデジカメや写真機能のついた携帯電話を持っているし、ラブホテルでのビデオカメラやポラロイドカメラの貸し出しサービスは今や主流になっている。
しかし、素人さんが、裸や自分たちの性行為の姿をラブホテルで撮るという行為は、今に始まったことではない。
現在のような誰もがデジカメやビデオカメラを持っている時代のはるか昔に、ラブホテルはそういった設備を完備していた。
昭和48年頃話題になった自画録ビデオ装置である。
テレビの下に固定カメラが付いており、簡単なスイッチ操作で、撮る・見る・消すことができる自画録ビデオ装置は、ラブホテル始まって以来の刺激的な装置だと、当時大変話題になった。
ラブホテルは人々のニーズをいち早く汲み取り、常に時代の最先端の設備が取り入れられている。今から35年前に、このような装置が実用化されていたということに、私はラブホテルの才能を感じた。
しかし、この装置には大きな欠点があった。
まず、カメラが固定焦点であるため、一定位置からしか撮れないということ。
次に、自分たちで録画、観賞、消去するため、消し忘れるカップルが多く、それを利用した“消し忘れビデオ”が出回り、世の中を騒がせたのである。
その後風営法が改正され、このようなセクシャルな装置の設置が難しくなり、結局自画録ビデオ装置は姿を消すこととなった。
しかし、ラブホテルは負けない。
ニーズがあるなら応えましょう! ということで、次に現れたのが「撮影サービス」である。つまり“最中のお客様のお姿をビデオで記録してさしあげましょう”というサービスだ。
一定位置しか撮れないという欠点と、消し忘れの心配もなくなった(撮ったビデオをもらえるため)撮影サービスは、一部の客に相当受けたのか、しまいには同じ様子をポラロイドカメラで撮影するもの、あるいはただ単に従業員が一部始終を見てあげるコースなども登場し、当時の週刊誌などを騒がせた。
テレホンカードから思わぬことにつながったが、今回伝えたかったのは“ラブホテルの才能”、すなわち、ニーズの察知能力、臨機応変に変化する柔軟性、そしてなんだかユーモラスな発想である。
ラブホテルは、こうして独自の才能を発揮しながら、時代の最先端を走ってきたのである。
余談だが、何回やってもテレホンカードで袋とじが上手く開けられないのはなぜだろうか……(誰かコツを教えてください)。
(記者:金益見)
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