2008年08月12日(火) 11時33分
まちの問題は、市民・企業・行政の連携が大切(下)(オーマイニュース)
景観のひどい「一番街第1駐輪場」について、宮崎市生活安全課の担当者にお話を伺った。来年度、この駐輪場を建てかえる計画があるとのことだが、一刻も早く、整備を進めてほしいものである。
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もう1つ、疑問がある。
6月1日にオープンした共同立体駐車場「ワイワイパーク」の1階にある駐輪場は、なぜ、多くの市民に利用されていないかということである。
「ワイワイパーク」とは、宮崎市と老舗デパートの山形屋が共同で整備を進めてきた大型立体駐車場のことで、地下1階、地上10階、収容台数428台。宮崎市は国の「まちづくり交付金」の補助を受け、総事業費約20億4000万円をかけて建設した。その1階部分に、148台が収容可能の駐輪場がある。
この駐輪場は、老舗デパートの「山形屋お客さま専用駐輪場」となっている。そのために利用が少ないのだろうか。いつもガランとしている。一歩外へ出ると、駐輪禁止場所の路上に多くの自転車が。ちょっと自転車を押して駐輪場にとめれば、路上駐輪も減るのだが。このことも生活安全課の担当者に尋ねてみた。
市担当者「いちおう、デパートの駐輪場となっています。午前9時30分から午後8時30分までなので、デパート近くに通勤している人は、朝の時間が合わないので、路上に駐輪しているものと思われます」
私「ワイワイパークの宣伝は結構ありましたが、この駐輪場に関して告知はされましたか」
市担当者「特に告知はしていません。宮崎市としては多くの市民の方に利用していただきたいです。あそこの駐輪場は、防犯カメラもあります。時間制限をなくし、24時間利用可能になれば、利用者も増えるのではないでしょうか」
お話を伺うなかで、ちょっと気になったことがあった。宮崎市と山形屋等が共同で設置したとはいえ、電話での対応がどうもひとごとのように聞こえた。どことなく「山形屋さん側の問題です」というように。
そこで、8月8日、駐輪場を設置している山形屋の担当者に電話で伺ってみた。
山形屋担当者「私どもの駐輪場は、デパートを利用されるお客さまを想定し設置しておりますが、時間内であれば広く市民のみなさまのご利用もできます」
私「宮崎市の担当のお話では、24時間の利用が可能であれば利用が増えるということをお聞きしましたが」
山形屋担当者「警察の指導もあり、デパート終了後も24時間、駐輪場を開けておくことは、防犯上の問題もあり、考えておりません」
私「ときどき、この駐輪場を見ていますが、利用が少ないようですが」
山形屋担当者「私どもは、大規模小売店舗立地法(大店立地法)にもとづき駐輪場を設置しています。この法律にもとづいて設置される駐輪場に関しては、行政指導の範囲外ですので、宮崎市が駐輪場を24時間開けるようにという指導はできません。そのことは宮崎市もご存じのはずです。駐輪場の告知は、特に私どもが積極的に駐輪場の利用を促すことはありませんが、私どもの広告等ではご案内させていただいています。ご利用が少ないのは、お客さまの利便性の問題ではないかと思います」
ちょっと自転車を押して駐輪場に置くよりも、歩道近くに置いたほうが便利だということである。駐輪場の設置場所がデパートから遠いことと、その入り口が分かりにくいということもある。自転車を利用している私たち市民の意識も変えなければならないということだろう。
どうも、山形屋の問題のようには思えない。
すべては、来年度、新しく建てかえられる「一番街第1駐輪場」にあるような気がする。市議会で予算が通れば、来年度は確実に駐輪場が整備されることになるだろうから、それまではなんとか現状維持で、と行政側が考えているとしたら、問題である。
ただ単に、駐輪場をつくっただけで、利用しようが利用しまいが、後は市民のみなさんの判断ですというのであれば、いつになっても違法駐輪は減ることはない。
せっかく作った駐輪場を活(い)かし、どうすれば違法駐輪をなくすことができるのか。市民、企業、行政の3者が連携して話し合ったり、違法駐輪をなくすPR活動を展開したりして、「まちの問題」を解決していきたいものである。
(記者:大谷 憲史)
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