2008年08月11日(月) 08時02分
太田農相問題?発言「日本の消費者やかましい」(スポーツ報知)
日本の消費者やかましい−。太田誠一農相が10日、NHKの討論番組で食の安全に関連し「消費者としての国民が、やかましくいろいろ言うと応えざるを得ない」などと発言した。これに対し野党は「国民がうるさいから消費者庁をつくるということだ」などと猛反発。番組終了後、太田氏は「(やかましいという言葉を使ったのは)一つの弾み」と説明した。過去には「集団レイプは元気があるからいい」と言い放ったこともある太田氏。永田町では「なぜ入閣させたのか。やはり農相は鬼門だ」との声も上がっている。
かつて“レイプ容認発言”で物議を醸し、直後の衆院選では落選まで経験した太田氏の口が、またも物議を醸した。
NHKの討論番組で太田氏は、食の安全への対応を問われ「日本の場合は潔癖だから、基本的に食の安全というのは国内は心配しなくてもよいと思っている」と発言。
さらに食品の生産や流通などの情報を追跡するトレーサビリティー(生産履歴)制度や、HACCPと呼ばれる衛生管理が定着してきたと指摘した上で、「日本は安心なんだが、消費者や国民がやかましいから、さらにそれを徹底してやっていく」と述べた。
番組の終了後、太田氏は「民主主義の国だから(国民が)きちんと主張できて、それに政府が応えるという仕組みのことを言っている。文脈をみてほしい」と釈明。さらには「わざわざ(やかましいという言葉を)使ったわけではなく、一つの弾みだ」と述べた。
これに対し民主党の輿石東代表代行は、「許せない。消費者庁は選挙用だ。(福田首相が強調する)国民目線の改革などむなしくなる」などと批判。国会閉会後も質疑を行える「閉会中審査」を求め、政府の姿勢を追及する考えを示した。
農相と言えば、安倍政権時代にトラブルが続出した“鬼門中の鬼門”ポスト。問題発言歴のある太田氏を据えるにはリスクがありすぎるとの声も上がっていた。
政治評論家の有馬晴海氏は「太田氏の入閣については、一部で危惧(きぐ)されてきた。要注意人物。やはり出たか、という感じです」。
有馬氏は「福田首相はあまり太田氏のことを知らなかったのでは」と推測。「太田氏は、もともと発言に対してあまり慎重ではない人。(こうした発言は)苦労を知らない人に多いです。やかましい発言自体は、そんなに問題にはならないでしょうが、今後も追い打ちをかけるような発言をする可能性はある」と指摘した。
【太田氏の過去の問題発言】03年6月、少子化問題などをめぐる討論会で、イベント企画サークル「スーパーフリー」のメンバーの早大生らが女子大生を集団暴行した事件について、「集団レイプする人はまだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と発言。討論会後、「『レイプは重大な犯罪で従来以上に厳しく罰せられないといけない』という言葉を付け加えようとしたが、時間とタイミングがなかった。残念だ」と釈明。同年11月の衆院選で落選した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080811-00000106-sph-soci