2008年08月09日(土) 22時18分
南オセチア紛争 露が猛攻、州都制圧宣言(産経新聞)
【モスクワ=遠藤良介】グルジアの親ロシア分離派地域、南オセチア自治州に軍事介入したロシアは9日、別の親露派地域であるアブハジア自治共和国のグルジア支配領域に激しい空爆を行うなど猛攻を続け、戦線が拡大している。ロシア軍は南オセチアでも先に進攻していたグルジア軍と激しく交戦、ロシア側は州都ツヒンバリの制圧を宣言した。グルジアのサーカシビリ大統領は同日、即時停戦を呼びかける一方で、全土で15日間の「戦時状態」を宣言する大統領令を出し、議会の承認を得た。
メドベージェフ露大統領は「ロシアの作戦はグルジア側に戦闘を停止させるためのものだ」とし、国際社会の求める即時停戦には応じない考えを示している。
ロシア側の情報によれば、ロシア軍はツヒンバリ内外のグルジアの攻撃拠点を破壊し、州都の全域からグルジア軍を排除した。また、8日にグルジアの首都トビリシ近郊の軍基地を空爆したのに続き、黒海に面するポチ港や旧ソ連の独裁者スターリンの出身地、ゴリ近郊を軍用機で爆撃。ロイター通信によると、ゴリ近郊ではアパートが空爆され、民間人に死者が出ている。
グルジアからの報道によれば、ロシアは南オセチアと並ぶ独立派地域、アブハジアのグルジア支配領域でも空爆を開始しており、グルジアは“両面作戦”を迫られそうだ。AP通信によると、アゼルバイジャンからグルジアを経由してトルコに原油を送るBTCパイプライン周辺もロシアの空爆を受けたという。
一方、グルジア国家安全保障会議のロマイヤ書記はツヒンバリ攻防をめぐるロシアの情報を否定するなど情報は錯綜(さくそう)している。グルジアはすでに予備役に招集をかけたほか、イラクに派遣している部隊2000人を帰国させることを決定し、総力戦に入る構えだ。
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