2008年08月09日(土) 00時45分
友好求め、行進壮観=台湾に声援、イラクも〔五輪・開会式〕(時事通信)
【北京8日時事】8日、国家体育場(愛称・鳥の巣)で行われた北京五輪開会式は深夜まで続いた。史上最多204カ国・地域の選手たち。壮観な入場行進だった。
午後9時すぎ(日本時間同10時すぎ)に五輪発祥国ギリシャが入場してきた。日本は23番目。旗手を務めた卓球女子の福原愛選手(19)は中国でもおなじみで、笑顔を絶やさず、しっかり選手団を導いた。
続いて台湾。大会前、呼称をめぐるあつれきが表面化したが、観衆は温かく迎えた。初参加のツバルは温暖化による海面上昇で、将来的に沈没する可能性も指摘される南太平洋に浮かぶ小国。アジアの大国へ、全力を尽くしにきた。
開幕直前に参加が認められたイラクも選手、役員10人が力強く歩いた。米国はスーダン難民だった陸上男子のロペス・ロモング選手が旗手。陸上男子のタイソン・ゲイ選手の姿もあった。
韓国と北朝鮮は、3カ国を挟んで終盤に登場。2大会続いた「合同行進」は、合意に達しなかった。声援は北が南を圧倒した。
最後に中国。バスケットボール男子の姚明が、四川大地震で被災した少年を伴って長身を現すと、競技場に割れそうな音がこだました。
1000人を超す選手たち。友好をはぐくむ一方で、その思いも母国の立場もさまざまだ。中国もまた、待望の五輪を前に人権、テロ、情報統制などなど、内包する問題をさらけ出した。
式典前のオープニングで浮かび上がった、論語の一節「友遠方より来るあり また楽しからずや」。孔子の精神を脈々と受け継ぐ国が、光彩あふれる「鳥の巣」を歩いた人々とどんな「世界」を築くのか。「五輪後」が問われる。(了)
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