2008年08月08日(金) 17時11分
「第二の故郷」で旗手の大役=卓球女子福原愛、日中友好シンボルに〔五輪・開会式〕(時事通信)
旗の重みと北京の人々の歓迎を全身で感じる。日本選手団の旗手で卓球女子の福原愛(19)=ANA=は、この地を異国とは感じない。「中国はホームではないけれど、アウェーでもない」。第二の故郷とも言える国が舞台の五輪に参加できる喜びをかみしめている。
卓球は中国で「国球」ともいわれる花形競技。世界最強の中国卓球と深いつながりを持ちながら、福原は育った。
3歳から母千代さんの下で卓球を始め、兄の秀行さんを教えていた中国人のコーチと接するうちに、自然と中国語も覚えた。その後も別の同国コーチから、中国語でさまざまな技術を学んだ。
合宿や試合で何度となく中国を訪れ、高校時代の2005年から2シーズンは世界最高レベルの中国スーパーリーグに参戦。中国でも知名度は高く、「瓷娃娃(ツーワーワー、磁器の人形)」「小愛(シャオアイ)」の愛称で親しまれている。
福原への注目は、選手の枠にとどまらない。中国で反日デモが起きた05年、同国外務省の報道官が、福原のスーパーリーグ参戦が両国の関係改善に役立つことを望むと発言。今春は来日した胡錦濤国家主席の卓球の相手を務めた。日本選手団の旗手抜てきも、日中友好のシンボルとして期待されている証しだろう。
1988年ソウル五輪で卓球が初めて正式競技となった。直後の同年11月1日に生まれた卓球の申し子は、15歳でアテネ五輪に出場してシングルスベスト16。4年を経た今回、「試合をして、少しでも成長した姿を中国の友達やコーチ、お世話になった方々に見せられたらいい」。勝ち進むことが、中国への最高の恩返しになる。(北京時事)
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