2008年08月07日(木) 12時00分
ケータイOSの役割を探ったら、激しい業界バトルが見えてきた(R25)
iPhone上陸が一大ニュースになったのも記憶に新しいけど、ケータイ業界で最大の注目を集めたニュースは、意外にもフィンランドから発信されていた。
それは6月24日、世界最大手のケータイメーカー・ノキアが発表した「ケータイOSメーカー、シンビアン社を完全子会社化し、同社のSymbian OS(シンビアン オーエス)を無償公開する」というニュースだ。このOSを搭載するケータイは世界で230機種以上、累積出荷台数は2億台、シェアは60%を超えるらしいけど…Symbian OSって? 耳になじみのない方がほとんどなのではないだろうか。
「日本でもSymbian OSを採用しているケータイは多いんですよ。ドコモなら富士通、シャープ、ソニー・エリクソンなどの機種に搭載されています」と教えてくれたのは、ケータイジャーナリストの石野純也さん。
ケータイOSって、液晶画面などの様々な電子部品、そして電話帳やゲームなど数多くのソフトを統括。ケータイを円滑に動かしてくれる、ありがた〜い存在だ。しかし、ノキアのSymbian OS無償公開がこれほど注目を集めるのはナゼ?
「最近の端末は高機能化にともなって開発コストが増しており、OSが無償・共通化されると、メーカーにはコストが下がるというメリットがあります。今後は端末会社やネット系企業、キャリアが入り乱れ、OSの主導権争いが激化するでしょう(同)
そう、背景には、ケータイOSシェアを巡る激しいバトルがある。現在、ケータイOS業界は、ノキア陣営「Symbian Foundation」、リナックス陣営「LiMo Foundation」が覇権を争っている。さらに、マイクロソフト「Windows Mobile」、アップル「iPhone OS」が、スマートフォン(PDA的機能を持つ高機能ケータイ)系でアピールしているし、グーグルが開発を進める「アンドロイド」(OSを含めた無償ソフト)も台風の目になりそうな勢いだ。
結果、端末メーカーを陣営に引き入れるためにOS技術を無償提供するのがメインストリームに。このほど最大手のノキアも、ついにその波に乗った、というわけなのだ。まさに今、ケータイOS戦国時代が到来!
ケータイといえば、デザインやカメラの画素数などのスペックばかりがフィーチャーされてきたけど…今後は「ケータイOS」がグンと存在感を増してきそうだ。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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