2008年08月07日(木) 12時00分
伊豆の踊り子がジョジョ風に! 文学作品×マンガ家のコラボが売れるワケとは?(R25)
人気マンガ家が,古典文学の名作のカバー画を手掛けるコラボ本が話題になっています。昨夏、『DEATH NOTE』の小畑健が太宰治『人間失格』のカバーを描いてヒット。そして今夏、『ジョジョの奇妙な冒険』6部の主人公・徐倫(ジョリーン)にそっくりな川端康成『伊豆の踊り子』×荒木飛呂彦という組み合わせが!
一体、なぜこんな企画を? 発行元である集英社文庫の小山田恭子編集長にお話を伺いました。
「若者向けのナツイチフェアを企画する際に、名作といわれる古典文学作品を読んでほしいと思いました。その第一弾として“太宰治”の『人間失格』という名作を、読んでもらうにはどうすればいいか? “太宰治”を知らなくてもカバーにひかれ、手にとってもらう…その為に“太宰治”の暗く虚無的でいて、美しい世界観とマッチした画風の小畑健さんにお願いしました」
なるほど。一際目立つカバーが目をひきます。その効果で、異例の売り上げを記録したそうですが。
「『人間失格』は、これまで累計65万部(集英社文庫のみ)を売り上げていますが、そのうちカバーを変えてからの販売部数が28万部にも達し、今もなお売れ続けています。映画『DEATH NOTE』のヒットという背景も手伝ったのでしょう」
うーん、“ジャケ買い”のチカラ恐るべし。人気マンガ家とのコラボレーションで、古典文学の入り口を広げることに成功した今回の企画。これからの展開は考えていますか?
「今はまだ考えていませんが、こんな組み合わせを見たい! というアイデアがあればぜひ教えてください(笑)」
R25.jp編集部は早速、アンケートを実施したところ、「松本大洋×江戸川乱歩」の回答が複数。『鉄コン筋クリート』の松本大洋が描く少年像が、江戸川乱歩の傑作『怪人二十面相』の少年探偵団とぴたりとハマりそうです。
一方、これもイメージ通りかも! と思ったのが「カイジ×蟹工船」。『賭博黙示録カイジ』で見せた絶望のなかでも必死に希望を見いだす福本伸行の画風。そして貧しい労働者たちを群像劇で描いた小林多喜二『蟹工船』の世界観。これって相性抜群じゃないですか?
想像するだけでも楽しい文学作品×マンガ家の組み合わせ。アンケート結果の組み合わせもぜひ、実現してほしいですね。今年の夏休みは、改めて古典文学を読みなおすいい機会になりそうです。著者も『人間失格』を読みなおして、同時に人生も見つめ直そうと思います。生まれてきてすみません!
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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