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2008年08月06日(水) 08時26分

ライオン 「トップ」実質値上げ 価格転嫁強化で増益確保フジサンケイ ビジネスアイ

 ライオンの藤重貞慶社長は5日の2008年6月中間決算説明会で、主力の衣料用粉洗剤「トップ」を実質値上げする方針を明らかにした。性能を強化したうえで、今後、出荷価格はそのままに内容量を1・1キロから1・0キロに引き下げる。通期の原材料コストが、期初に想定した35億円から55億円に上昇。価格転嫁を強化し、最終増益の通期予想を変更せずに目標に到達させる計画だ。

 価格競争の激しい国内衣料用粉洗剤市場では、ライオンが今年3月、低価格帯の「ブルーダイヤ」の内容量を減らし、1個あたり約20円の実質値上げに他社に先駆けて着手した。その後、花王が主力の「アタック」で追随するなど、実質値上げの流れが定着しつつある。

 反動による需要落ち込みが今のところみられておらず、ライオンでは洗剤売上高の6割以上を占める香りなどを付加した「企画品」洗剤も内容量の1・0キロが定着している。藤重社長は、2004年の消費税内税化による店頭価格値上げで、小売り各社が売上高を3割近く減少させた過去の経験を指摘。製品価格値上げに慎重な姿勢を示す一方、「内容量削減による実質値上げは食品などでも最終消費者に受け入れられている」との考えを示した。

 ライオンによると、08年上期の国内洗剤市場は前年同期比1%増と横ばい傾向にある。しかし、クリーニング店用の業務用洗剤が落ち込み、家庭用に需要増が起きるなど「生活防衛型」の消費傾向が強まっているという。

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