2008年08月05日(火) 10時59分
松本サリン被害、河野さんの妻澄子さん死去…意識戻らぬまま(読売新聞)
松本サリン事件の第1通報者、河野義行さん(58)の妻で、サリン中毒の後遺症で意識不明の状態が続いていた澄子(すみこ)さんが5日午前3時4分、長野県松本市の松本協立病院で亡くなった。60歳だった。
死因は、サリン中毒による低酸素脳症が原因の呼吸不全。
葬儀は家族だけで行うという。澄子さんの死去で、松本サリン事件での犠牲者は8人となった。
澄子さんは、1994年6月27日夜、オウム真理教(現・アーレフ)の信者が、長野地裁松本支部の裁判官官舎を狙い、住宅街で毒ガスのサリンを噴霧した松本サリン事件で、重度の脳障害を負った。
意識が戻らないまま、98年に松本市内の身体障害者療護施設に入所。指を動かしたり、目を開けたりすることはできるようになったが、肺炎や呼吸不全などでしばしば容体が悪化し、年2、3回の入退院を繰り返した。
今年3月には、還暦の誕生日を迎えたが、6月11日には、口から食事をとれなくなるなど容体が悪化し、療護施設から再入院した。その後は、点滴による栄養補給など、懸命の治療が続けられていた。
河野さんは5日午前2時45分ごろ、病院側から連絡を受けて急行したが、病院の玄関で担当医から「間に合いませんでした」と告げられたという。河野さんは「これから3日間家族だけで妻を送ることにいたします」とのコメントを出した。
松本サリン事件では、松本智津夫死刑囚(53)ら元教団幹部7人が死刑判決を受けた。
このうち松本、端本悟(41)、林泰男(50)の3死刑囚の刑が確定。新実智光(44)、遠藤誠一(48)、中川智正(45)、土谷正実(43)の4被告が1、2審で死刑判決を受け上告中。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080805-00000010-yom-soci