2008年08月05日(火) 12時00分
生涯“映画宣伝マン”だった水野晴郎氏の伝説的業績(R25)
「いやぁ、映画って本当にいいものですね!!」の名セリフで知られた映画評論家・水野晴郎氏(享年76)を偲ぶ会が、先月17日に行われた。著名人から『シベリア超特急』シリーズのファンまで。水野氏を慕う人々が続々と訪れた会場には、J・チェンやS・スタローンなど、そうそうたるスターとのツーショット写真が多数展示。世界を飛び回り映画の普及につとめた水野氏の業績が、文字通り偲ばれた…のだが。読者世代には水野氏の業績といわれても、いまひとつピンとこないかもしれない。と思い、筆をとった次第。
なんといっても『金曜ロードショー』に代表される、映画評論家としてのイメージが強い水野氏。だが、いわゆる伝説的エピソードの宝庫は、映画会社の宣伝部勤務時代。洋画の宣伝マンとして、卓越したアイデアを駆使。ときには、配給本国からの指示を曲げても、自分のやり方をつらぬき、大ヒットにつなげていったという。
その極め付きが「ジェームス・ボンドの手」事件。今ではパブリックイメージとなっている、拳銃を顔の横に添えた007のあのポーズ。しかし、当時本国から送られたポスター用の写真は、あの手の形ではなかった。なんと「あのポーズのほうがウケる!」と判断した水野氏。自分の手を勝手にコラージュしてしまったのだ。ワオ★ このほか、『史上最大の作戦』や『チキ・チキ・バン・バン』といった名画の邦題にも、水野氏命名のものが多数。ルールや体裁に縛られなかった水野氏。一部映画業界からは評判が悪かった、いわゆる「500円DVD」の普及に協力したのも、名画をより多くの人々に観てほしい、という想いから出たものだった。
「難しい理屈も言える人なのに、僕らにはなるべく噛み砕いた表現で映画の楽しさを伝えてくれました。結局、生涯を通じて映画の“宣伝マン”だったんですよね」(水野氏のよきパートナーであった西田和昭氏)
古典からカルト“シベ超”まで、さまざまな視点から映画の楽しさを伝えてくれた水野氏に、あらためて感謝です。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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