東京都江東区有明の東京ビッグサイト西展示棟で3日、上りエスカレーターが急停止した後に逆走し、乗っていた10人が軽傷を負った事故で、当時、エスカレーターの各ステップの多くに3人以上の客が乗っていたことが、警視庁東京湾岸署の調べでわかった。
1段あたりの最大重量は130キロで、総重量が7・5トンを超えると停止するように設計されており、同署は、重量オーバーで停止した後、重みで下り始めた疑いがあるとみて、会場内の安全管理体制を調べている。
エスカレーターを製造した「日本オーチス・エレベータ」(中央区)などによると、事故機は1階から4階まで直行し、長さは約35メートル。幅102センチのステップが84段あり、建築基準法に基づいて、1段あたりの最大重量や総重量を設定している。
同署幹部によると、同日は午前10時から、アニメやゲームのキャラクターのフィギュアを展示・販売するイベントが始まったが、オープンと同時に多数の客がエスカレーターに殺到。
1階の乗り口付近には、混乱を避けるためにイベント会社が係員を配置していたものの、客は次々に乗り込み、1段に3〜4人が乗るなど、事故当時、エスカレーターは身動きが取れない状態だったという。
エスカレーターは、7・5トンを超えると、安全のため緊急停止する仕組みになっており、同署では、緊急停止後、重みに耐えられずにエスカレーターが下に動き出したとみている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080804-OYT1T00351.htm