東京都江東区の東京国際展示場(東京ビッグサイト)のエスカレーターが停止、逆走した事故で、直近の点検では安全設備など24項目で異常はないとしていたことが4日、分かった。製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)は「テレビ映像を見ると、1段に3人以上乗るなど異常な荷重がかかった可能性もある。目視ではボルト破損はなかった」と話した。
同社によると、事故機は、2段に大人3人程度が乗っても耐えられるというエスカレーターの安全基準はクリアしているが、一定の重量を超えるとブレーキがかかる仕組みになっていた。だが事故機は止まっただけでなく逆走していることから、警視庁東京湾岸署は機器に何らかの異常があった可能性もあるとみて原因を調べている。
同社は事故機の保守・点検も担当。直近の7月29日の点検では、ステップをつなぐチェーンに油を差しただけで、非常停止ボタンや制御盤、モーター、ブレーキなどはいずれも正常と判断していた。運転状態も異常はなかったという。