3日午前10時ごろ、東京都江東区有明3の東京ビッグサイト西展示棟で、1階と4階を結ぶ上りエスカレーターが急停止し、乗っていた約120人のうち約60人が転倒した。
警視庁東京湾岸署や東京消防庁によると、21人が手や足などに痛みを訴え、うち10人が足を切ったりして病院に搬送されたが、いずれも軽傷。同署は業務上過失傷害の疑いで原因を調べている。
同署副署長によると、西展示棟では、午前10時からアニメのキャラクターのフィギュアを展示・販売する「ワンダーフェスティバル」が開かれていた。開場直後、長さ約30メートルの上りエスカレーターに係員の先導で入場者が乗り込み、約20メートル動いたところで突然停止。下り方向に数メートル動いたため、入場者がバランスを崩し、乗り口付近で折り重なるように倒れたという。
エスカレーターに乗っていた千葉県佐倉市の会社員打田真康さん(39)によると、「ガチン」という音がし、急停止した。体が前のめりになった直後に、「ガリガリ」とチェーンが擦れるような音がし、滑るように逆走し始めた。
都によると、このエスカレーターは「日本オーチス・エレベータ」(中央区)製。名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で今年5月、同様に急停止して14人が負傷した事故と同型で、国土交通省が緊急点検を指示した65基の中に含まれていたが異常は見つからなかった。
名古屋の事故ではモーター付近のボルトが折れていた。先月29日に行った定期点検や、3日朝には異常はなく、事故後の点検では、モーター付近のボルトは折れていなかった。
東京ビッグサイトでは、イベントの運営会社に、エスカレーターのステップに続けて2人以上を乗せないよう指導していたが、目撃者によると、事故当時、各ステップに2〜3人が乗っていたという。
日本オーチスの広報担当者は「テレビ映像を見る限り、異常な乗り方」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080803-OYT1T00288.htm