3日午前10時ごろ、東京都江東区有明、東京国際展示場(東京ビッグサイト)西ホールで、1階から4階に向かう上りエスカレーターが突然停止し、逆走した。乗っていた約120人の一部が転倒し、男女10人が軽傷を負い、病院で手当てを受けた。
事故機は日本オーチス・エレベータ(東京)製で、5月に名古屋市営地下鉄の駅で同様の事故を起こした機種と同じタイプという。
警視庁東京湾岸署は、業務上過失傷害の疑いもあるとして関係者から事情を聴く一方、エスカレーターにトラブルが発生した可能性が高いとみて調べている。
10人は脚に切り傷を負ったり、脚や胸を打ったりした。東京消防庁によると、さらに十一人がけがをした様子だったが、搬送を辞退した。
西ホールでは、アニメの主人公などをかたどったフィギュアを展示、販売する「ワンダーフェスティバル」が開かれていた。事故後、エスカレーターは運行を停止したが、イベントは続行した。徹夜組約1500人を含め約1万人が午前10時の開場を待っていたという。
調べなどによると、エスカレーターは長さ約30メートル。開場と同時に警備員が先導する形で来場者をエスカレーターに乗せて、先頭が3階ぐらいまで達した際に急停止し、滑り落ちるように逆走。スタッフが非常停止ボタンを押した。
ステップ一段に3人が乗っている所もあったが、同署によると、体重65キロの人が172人乗っても耐えられる設計で、それをオーバーすると自動停止する仕組みという。
オーチス社が保守点検しており、直近の7月29日の点検では異常はなかったとしている。
5月の名古屋市営地下鉄桜通線久屋大通駅の事故では、上りエスカレーターが急停止した後に約10メートル逆走、14人が軽傷を負った。ボルト破断が原因とみられる。
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