三次市作木町で、サルによる農作物の被害が増加している。農家が対策に苦慮する中、駆除班がこのほど初の町内一斉駆除を実施。住民は被害拡大に危機感を募らせている。
「5、60匹が群れで来る。ここ4、5年、まとまって来るようになった」と下作木の農業滝口朝男さん(80)。昨年はジャガイモやカボチャがほぼ全滅した。今年もダイコンをやられた。畑に高さ約2メートルの網を張ったが、近くの木に登って中に入るなど、抜本的な解決にはなっていない。
サルは、以前から対策に取り組む島根県邑南町から、江の川に架かる橋を渡って来ているらしい。住民の要望で7月中旬、市などによる駆除班が一斉駆除を実施したが、生態が良く分からないこともあり、駆除には至らなかった。
市農政課が住民の報告を受けて推定した野菜など農作物の被害は作木町が中心で、2005年度が3万円(0.3トン)、06年度は約8万円(0.26トン)、07年度は約25万円(2.1トン)と増加傾向。実際の被害はより大きいとみている。
【写真説明】サル対策の網を張った畑を見る滝口さん