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2008年08月01日(金) 00時05分

8月も続く値上げの高波中国新聞

 ガソリン、運賃、食料品…。原材料高に端を発した値上げの波は、8月以降も消費者の懐を直撃しそうだ。1日からの値上げを控え、広島都市圏のガソリンスタンドでは月末の混雑が恒例になった。値上げ直前の高速船の回数券には駆け込み需要が発生。食品メーカーも価格を上げる。ただ、消費者の生活防衛意識も高く、価格アップを抑える動きもある。

 揮発油税の暫定税率が復活して、月初めでは4カ月連続の値上げとなるガソリン。広島都市圏では、レギュラーガソリン1リットル当たり約5円上がり、180円台半ばが中心価格帯になりそうだ。廿日市市のあるスタンドでは31日夕から込み始め、時間を追うごとに台数が増えた。ただ、前月末と比べ、台数は少なめという。店長は「値上げ前でも割高感が否めない水準に達してしまった。需要自体が落ちていることが心配」と話す。

 フェリーと高速船の運賃を1日から平均13.2%上げる瀬戸内海汽船は7月下旬、10枚つづりの回数券が普段の2倍売れた。購入から3カ月間有効のため、値上げ後も使える。回数券は広島—松山間の高速船(大人)で5400円アップするため、利用頻度の高い客が購入したとみられる。

 食品メーカーの値上げも相次ぐ。雪印乳業は8—9月、チーズの希望小売価格を平均10%、マーガリンを18%上げる。飼料の高騰が響き、「6Pチーズ」は330円から360円に値上げ。同社は「販売量の減少は懸念されるが、安定供給のため値上げに踏み切った」。キユーピーもマヨネーズ(500グラム)を350円から386円に約10%引き上げる。値上げは雪印乳業が今年3回目。キユーピーは昨年6月以来となる。

 メーカーの相次ぐ値上げ発表の一方で、スーパーなどの小売店は消費者の節約志向を踏まえ、慎重な姿勢が目立つ。広島市内のスーパーの幹部は「盆商戦を前に、急な値上げは難しい。食品の値上げは、新商品が多く出る9月以降に本格化しそう」とみる。

【写真説明】1日からのガソリン卸値アップを前に、スタンドに詰めかけた給油待ちの車列(31日午後8時25分、広島市西区)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200808010075.html