2008年07月31日(木) 08時00分
外務官僚 宿泊代1500万円不払い ホテル側告訴検討(産経新聞)
■5万円部屋に293泊
外務省経済局の男性職員(40)が、都内のホテルに長期宿泊した代金1500万円以上を1円も支払わず、ホテル側とトラブルになっていることが30日、分かった。ホテル側は刑事告訴や民事提訴を検討しているという。男性職員は産経新聞の取材に「確かに支払いはしていない」と事実関係を認めた。外務省では以前、ホテル代の水増し請求事件などで職員が逮捕されており、再び外務官僚の“たかり体質”の一端が浮かんだ。
複数の関係者によると、この男性職員は平成18年6月から19年4月までの293日間、都内のホテルのセミスイートルームに宿泊。1泊5万2500円の部屋で、代金は計約1538万円になるが、現在まで一切支払っていない。
この職員は家庭の事情で都内の自宅を出た後、知人の紹介などがあってホテル宿泊を始め、そこから東京・霞が関の外務省に通勤していた。ホテルを出た19年4月以降は国家公務員宿舎に移り住んでいるという。
ホテル側は再三にわたって支払いを求めたが、応じる気配がないとして、今年7月に請求書を送りつけた。職員は数日後にホテルに出向き、謝罪文を示したという。
謝罪文では「極めて礼節を欠いた不義理を働いたことにつき、一人の人間として本当に恥じ入るばかりであり、申し開きのことばもございません」とわびた上で、「今の自分にはとても支払い能力はございません。せめて金額を一般客室料金×宿泊日数としてお支払いさせていただくことでご検討頂けないでしょうか」と値引きを求めている。
しかし、ホテル側は「これまで誠意ある態度が一切みられなかった」としており、刑事・民事両面での措置を検討しているという。
この職員は産経新聞の取材に対し29日、「宿泊したことや料金を支払っていないのは事実で、金額については先方とお話ししたい。もちろん払う意思はあり、誠意は尽くすつもり」などと話した。
外務省では平成13年、要人外国訪問支援室長による外務機密費詐取や課長補佐によるハイヤー代水増し請求、ホテル代水増し請求などが次々と発覚し、関係者が逮捕・起訴されるなど、金銭に絡む問題が多発した。昨年8月には、在外公館に勤務していた職員が公金を着服したとして懲戒免職処分になっている。
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