岐阜県養老町の食肉卸販売業「丸明(まるあき)」による飛騨牛偽装で、県が29日に営業の自粛を指導した後の30日に、同社が牛肉などを取引先に渡していたことが31日、分かった。県は同社が指導に反して営業していた疑いがあるとみて、同社関係者から同日、事情を聴く。
また、吉田明一社長が県の指導の直前に辞任していたことも分かった。
県によると「営業自粛のはずの丸明が肉を搬出している」との情報提供があり、同社に確認したところ、岐阜、滋賀両県にある取引先の焼き肉店3店に牛肉と馬肉計約140キロを同社の本社工場で引き渡したことを認めた。県は営業自粛と同時に、保管している肉を移動する際は県に連絡するよう指導していたが、同社から連絡はなかった。
営業自粛は行政指導のため強制力はないが、県は「処分の見直しも含め、同社への対応を一両日中に検討する」としている。
県によると、同社は県から指導を受ける前にこれらの業者と肉の取引契約を結んだとし、「県から指導を受けた後、取引先に事情を説明したが、連絡がとれなかった業者が工場に肉を引き取りに来るなどしたため、引き渡した」などと説明しているという。
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