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2008年07月30日(水) 06時02分

先生が学校で刺される…元教え子18歳少年「恨みあった」スポーツ報知

 29日午後、愛知県知立(ちりゅう)市の市立知立中学校で、フリーターの少年(18)が校内に侵入し、部活動指導中の男性教諭(34)に刃物で切りつける事件が起きた。教諭は胸や背中、左腕などを刺されて重傷を負った。殺人未遂の現行犯で逮捕された少年は、同校の卒業生で教諭の元教え子。調べに対し「先生に恨みがあった」などと話しているという。生徒たちの目の前で起きた惨劇に衝撃が広がっている。

 繰り返された刃物事件はついに教育の現場にまで波及した。

 愛知県警安城署は殺人未遂の現行犯で、同県知立市の18歳の少年を逮捕した。調べによると、少年は29日午後1時半ごろ知立中学校の校舎2階の被服室に侵入し、同校教諭の神谷佳久さん(34)をナイフで数回刺した。

 通報を受けた安城署員が駆け付けたところ、神谷さんが校舎2階で倒れているのが見つかった。渡り廊下付近で座り込んでいた少年を発見、犯行を認めたため逮捕した。近くには血のついた刃渡り約13センチのナイフが置かれていたという。

 少年は同校の卒業生で高校を中退後引きこもりがちだったが、最近仕事を始めていたという。調べに対し「(神谷さんは)2年生時の担任で、厳しく指導されて対人恐怖症になった。復讐(ふくしゅう)するつもりで刺した」などと供述している。

 神谷さんは命に別条はないが、胸や背中、左腕などを刺され重傷。同校によると、神谷さんは国語を担当。吹奏楽部顧問でこの日は来月2日の「中部日本吹奏楽コンクール愛知県大会」に向け、生徒と練習中だったという。同校は夏休み中で、校舎には部活動などで登校していた生徒が大勢いたが、けがはなかった。

 教室にいた生徒らによると、吹奏楽部の練習には約50人が参加。神谷さんは教室入り口近くでドアに背を向け座っていたところ少年は無言でいきなり切りつけた。

 神谷さんは近くにあった太鼓の台などを少年に投げるなどして抵抗。「もっと遠くへ逃げろ」と逃げまどう生徒をかばうように叫んだ。少年ともみ合いになり、教室の床は血だらけに。少年は泣き叫ぶ女子生徒たちに笑みを浮かべながら危害を加えないかのような手を軽く振るジェスチャーをしていたという。

 少年と中学の同級生だった会社員男性(18)は「(少年は)友達があまりいなくて、おとなしかった。こんなことをするなんて」と話すなど校内で起きた事件に動揺が広がっている。

 同校の沓名基嗣校長(58)は「(容疑者が)卒業生だったので一層の驚きがある」と語り「在校時に問題行動はなく、神谷さんとの間のトラブルも把握していない」とした。また通常、授業中は校門を閉じているが、夏休み中は施錠していなかった。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080730-OHT1T00101.htm