2008年07月30日(水) 11時21分
失意の家電メーカーに希望の星現わる(オーマイニュース)
2004年に起きた新潟中越地震で、小千谷市にあった三洋電機の子会社が、500億円を越える損失(地震保険未加入)を被ったのが、同社の不運のひとつであった。
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三洋電機は経営建て直しのため、2005年に、ニュースキャスターだった野中ともよ氏を、代表取締役会長兼CEOとして、鳴り物入りで招聘(しょうへい)した。が、野中氏がいくら経済通であったとしても、現実の経営はまた別である。2006年には、携帯電話事業部門でノキアとの提携を発表したものの、時を経ずして白紙に戻るなど、今ひとつ経営は軌道に乗らず、長期低落傾向に歯止めをかけることができなかった。
そして2007年には、ついにその野中氏が会長職を解任され、続いて、社長の井植敏雅社長も辞任する。これによって、創業者一族は、完全に経営から手を離れることになる。
さらに同年末には、有価証券虚偽記載により、東証・大証から、管理ポストの指定を受ける。まさに踏んだりけったりである。
元をたどれば松下電器ともつながりのある、関西家電メーカーの雄、三洋電機も、ついにこのまま消滅するのか、と思わせた。
しかしこの間、三洋は白物家電から撤退し、また携帯電話事業を京セラに売却するなど、経営のスリム化と、リチウムイオン電池や太陽電池などの、得意分野への特化をはかる。
そして、2008年2月には管理ポスト指定も解除され、同3月期の決算では、4期ぶりに、最終損益が黒字に転じた。
企業業績とは別に、同社のラグビー部が、日本選手権での初優勝を果たすなど、スポーツ部門でも明るい話題が出てくる。
そして、スポーツ部門といえば、なんといってもバドミントンのオグシオ(小椋久美子・潮田玲子選手)コンビだ。彼女らの人気、知名度による、昨年度の広告効果を同社は、150億円に上ると試算している。
北京オリンピックのバドミントン競技には、小椋、潮田両選手のほか、同社からは廣瀬栄理子選手も出場する。活躍を期待したい。
(記者:斉喜 広一)
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