2008年07月29日(火) 12時46分
低価格ミニノートPCが変える時代(オーマイニュース)
最近のPCのトレンドというと、スバリ「5万円前後のミニサイズノートPC」だ。価格が安いうえ、小さくて持ち運びに負担がかからない。
もともと開発途上国向けに、デジタルデバイドの解消を目的に、OLPC(One Laptop per Child 子供1人に1台のPCを)という運動があった(今もある)。
そこで作られた新PCのコンセプトが「100ドルPC」だ。
そして、このコンセプトをちょっと高級にして、値段を400ドルくらいにした。それがミニサイズノートの成り立ちで、その先陣が台湾の大PCメーカー、ASUSのEeePCだ。このPCは「100円PC」として、オーマイニュースの記事にもなった。
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過去何度か同じような「小さなPC」のトレンドがあった。今回のブームが以前と違うのは、「オンラインが前提」ということだ。つまり、オンラインで、必要なすべてのアプリケーションが提供されることを前提にスペックが決まっている、と思えるからだ。
PCそのものには大きなパワーが必要なく、使い方によってはアプリケーションソフトウエアをインストールする手間さえなく、それでいてかなりの機能のアプリケーションソフトウエアが使える。
今のインフラ、そして「安価にコンピュータを使いたい」というユーザーニーズに非常にマッチした製品がこの「低価格ミニノートPC」なのだ。
もっと簡単に、あからさまに言えば、あえてMicrosoft製品のOfficeを使う必然がなければ、OfficeソフトウエアはGoogleで提供している、無料のGoogle Docsを使えば、インターネット環境で、いくらでもオフィスが使える。
もちろん、 MS-Officeで作ったEccelのファイルや Wordのファイル、パワーポイントのファイルも読み書きできる。
さらに、GoogleMapsを使えば、地図、ナビゲーションなども同様にオンラインで使うことができるし、メールはこれまたGoogleのGmailを使えばほとんど設定要らずで、ウィルスやSPAMのフィルタつきの多機能メール環境が使える。
さらに、最近はネットのワイヤレス接続環境も高速で安価になってきた。e-mobileなどはその筆頭だが、都会であれば公衆無線LANのインフラも整ってきている。
私の場合は、接続環境は常に2つだ。自宅のネット環境がNTT東日本のフレッツなので、外に出たときの無線LANは、FLETS- SPOTを使う。これなら、毎月1000円もかからずに、PRONTOやケンタッキーフライドチキンなどのコーヒーショップなどで、無線LAN経由で、ネットに接続できる。
もう1つの環境は前記のe-mobileだ。これは最大でも月額6000円程度でネットに接続でき、速度もADSL並み。都内であればかなり広範囲で使える。 FLETS-SPOTが使えないときは、こちらを使う。
1. 高速で安価、かつ、どこでもつながる無線によるネット接続環境
2. Googleの提供する、無料のオフィス環境をはじめとしたアプリケーション
この2つが、いまブームの「低価格ミニノート」を支え、「安価・移動可能」な便利なPC環境を誰にでも使えるものにしている。
いま、始まったのは、「オンラインで使えるソフトウエア」という新しいトレンドと、それを前提にした「低価格ミニノートPC」のブームだ。
やがて始まるのは、オンラインとGoogleで固めた、安くて、小さくて、どこでも使えるPCの時代だろうことを、この「低価格ミニノート」という製品のブームは教えてくれているようだ。
(記者:三田 典玄)
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