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2008年07月26日(土) 15時01分

<八王子殺傷>学校、職場で孤独…両親が「よりどころ」毎日新聞

 東京都八王子市の京王八王子駅ビルの書店で2人が殺傷された事件で、逮捕された会社員、菅野昭一容疑者(33)を知る人たちは「学校でも職場でも1人だった」と声をそろえる。社会から孤立しかけていた男のよりどころは、両親だった。しかし、その両親に相談をしたが相手にされなかったとして、菅野容疑者は無差別殺人に走った。「仲良し親子」と映った家族に何があったのか。【古関俊樹、佐々木洋、川崎桂吾】

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 菅野容疑者は八王子市出身。会社員の父と主婦の母、姉3人と弟の計7人の大家族で育った。小中学校時代は目立たないタイプだった。中学の後輩女性(32)は「休み時間に1人で教科書を読んでいることが多かった。からかわれると学校に来なくなった」。ひきこもり気味で、ほとんど中学には来なかったという証言もある。

 卒業後は市内の工場などでアルバイトをしたが、ミスを指摘すると出社しなくなったり長く続かなかった。数年間働いた漬物工場の上司の男性(55)は、休憩時間に1人でたばこをふかす姿を覚えている。角刈り頭にだぶだぶの作業着を着て、漬物や納豆を週6日箱詰めした。「仕事が遅くなると、親から『まだ仕事なのか』と会社に問い合わせ電話がかかってきた。過保護に思えた」。

 母親(67)は「昭ちゃん」と呼んだ。5年ほど前までは近所のコンビニエンスストアに毎日2人で顔を出し、豆腐や酒などを買っていた。店長の男性(44)は「大人の男が母親と毎日来るのは珍しく、目立っていた」と振り返る。

 そんな菅野容疑者も数年前、女性と暮らすために家を出た。それでも、携帯は父親(69)から借りたものを使い、料金も父親が支払った。給料日前には数千円の小遣いをもらうこともあり、親への依存がうかがえる。

 しかし、菅野容疑者は被害者への謝罪を述べる一方、「2〜3週間前に仕事の相談をしたが聞いてもらえなかった。事件を起こして困らせてやろうと思った」と不満を口にした。今月17日に家を出て以降、JR八王子駅周辺のホテルや旅館を泊まり歩き、5日後に事件を起こした。

 一方、父親は「相談されたことはなかった。妻は一時ショックで寝込んだ。息子の供述には戸惑っている」と話した。

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誰でもよかった:秋葉原通り魔事件/上(その1) 孤独な心情、サイトに

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