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2008年07月25日(金) 10時10分

【ライブドア事件】堀江被告、控訴審も2年6月の実刑判決産経新聞

 ライブドア(LD)事件で証券取引法違反罪(偽計・風説の流布、有価証券取引報告書の虚偽記載)に問われた元LD社長、堀江貴文被告(35)の控訴審判決公判が25日、東京高裁で開かれた。長岡哲次裁判長は懲役2年6月の実刑とした1審東京地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。

■写真で振り返る■ 堀江被告、太ったり痩せたり…いろいろあった8年間

 控訴審は被告の出廷義務がないため、堀江被告はこれまでの3回の公判には「混乱を避けるため」などとして姿を見せず、判決公判も出廷しなかった。

 堀江被告は1審に続き無罪を主張。主な争点は1審と同じく(1)投資事業組合(ファンド)を通じた自社株売却益の利益計上は違法か(2)堀江被告はLD元取締役、宮内亮治被告(40)=控訴=ら元側近と共謀したか−の2点だった。

 1審判決は、「ファンドを通じた自社株売却益の利益計上は許されない」と判断した。また、電子メールなどの物証と、検察側が立証の柱にした宮内被告らの供述の内容が一致していることなどから、宮内被告らの供述の信用性を認め、共謀を認定してた。

 その上で1審判決は「一般投資家を欺き、企業利益のみを追求した。投資家に謝罪の言葉を述べることもなく、まったく反省していない」などと事件の悪質性を重視。実刑を選択した。

 LD事件では、堀江被告のほかに、宮内被告らLD側元幹部4人と公認会計士2人、LDなど法人2社が起訴され、1審では全員が有罪とされた。宮内被告と公認会計士2人の控訴審が続いているが、ほかの元幹部や2社については1審の有罪判決が確定している。

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 堀江被告の起訴事実は次の通り。

 【偽計・風説の流布】堀江被告は宮内被告らと共謀し、ライブドアマーケティング(LDM)の株価を上げて売却することを計画。平成16年10〜11月、投資事業組合で買収済みだった出版社を過大評価して株式交換で子会社化するとの虚偽情報を公表した上、LDM株の100分割を発表するなどした。

 【有価証券報告書の虚偽記載】堀江被告は宮内被告らと共謀し、16年9月期連結決算で自社株売却益37億円や架空売り上げの15億円を計上。約3億円の経常赤字を約50億円の黒字に粉飾した有価証券報告書を関東財務局に提出した。

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 【ライブドア】 堀江被告が東大在学中の8年に始めた「オン・ザ・エッヂ」が前身のインターネット関連企業。12年に東証マザーズ市場に上場し、その後、企業買収を進めて急成長した。16年の大阪近鉄バファローズ買収騒動や、17年のニッポン放送株大量買い付けなどで注目を浴びた。発行株数に時価をかけた時価総額は、ピーク時には9000億円を超えたが、事件発覚後の18年4月、上場廃止。19年4月にライブドアからライブドアホールディングスに社名変更。メディア事業などを分割し、ライブドア(新会社)を設立した。

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