2008年07月25日(金) 14時12分
【ストーカー判事初公判(7)】自ら犯行を申告「裁判官として、とんでもないことを…」(産経新聞)
《下山被告は弁護側の被告人質問に正面を向き、手を組んで淡々と質問に答えていたが、裁判官の職務に話が及ぶと途切れ途切れになった》
弁護人「ストーカーメールの送信をなぜやめられなかったのですか」
下山被告「その当時、自分自身に疑いがかけられており、やめることはとうてい私にはできませんでした。早い段階で辞めたいというのが常にあったけれど、きっかけを何とか作り出さなければいけなかったんです」
《下山被告はストーカーメールの送信を開始して約1カ月後の3月、大学時代の友人である警察幹部に、無言電話についてのみ捜査するように依頼した》
弁護人「知り合いに頼んだんですか」
下山被告「大学時代の…(聞き取れず)警察庁の幹部に、『被害女性が無言電話で悩んでいる』と話しました」
弁護人「無言電話だけですか」
下山被告「いずれ被害女性にすべて話そうと思っていました。でも、女性は『メールを見せるのは絶対嫌だ』と。『ほかのメールも見られてしまうし、どんなことがあってもメールは見せたくありません』と言っていたので、無言電話だけ相談することになりました」
弁護人「女性にかかってきた無言電話は、かけていないのですか」
下山被告「一切関与しておりません」
《下山被告ははっきりした口調で答えた》
弁護人「(ストーカーメールについて)なぜ話そうと思ったんですか」
下山被告「『悪いことをしたので裁きを受けなければいけない』と思い、すべて話をしておこう、と思いました」
《下山被告は4月になると、自ら警察や被害女性、裁判所に対してストーカーメールの発信が自分の仕業だったことを打ち明け、謝罪した。被告人質問で理由を聞かれると、「捜査に負担をかけたくなかった」と述べた》
弁護人「女性への謝罪はしましたか」
下山被告「4月8日に会って話をして、『捕まりますよ』と言われましたが、覚悟はできています…(聞き取れず)。謝罪の手紙を2回書いています」
弁護人「弾劾裁判の結果を予想していますか」
下山被告「はい。事件に加えて部下の職員と不適切な関係にあったこともあるし、裁判官の品位を汚したことにもなります」
弁護人「社会からどう見られているか分かりますか」
下山被告「私は、現職の裁判官が行ったケースで、とんでもないと。非常に司法に不安を与えてしまったと思います」
弁護人「家族はどういう状況にありますか」
下山被告「すべてをなくすような状態になっています」
弁護人「お父さんの葬儀には参列できましたか」
下山被告「身柄を拘束されていたので、参列できませんでした」
弁護人「桶川の事件では非難を受けていましたね?」
《この質問は、下山被告が埼玉・桶川のストーカー殺人事件を審理中の平成13年、「裁判官が寝ている」と傍聴人から指摘を受け、配置転換されたことを指しているようだ》
下山被告「僕自身、睡眠障害という病気になっておりまして。大変なご迷惑をおかけしまして…」
弁護人「今後の生活はどうするんですか」
下山被告「私自身は『法律の世界にとまっているのはどうかなあ』と。許されないのではないかと考えています。自分の大学時代にやった仕事、経験したことを含めて、いくつかの仕事をできたらと思います」
弁護人「最後に、社会に対してはどうですか」
下山被告「まず、被害女性に対して本当に申し訳ないことをしました。私に対して信頼していただいてどんなことでも話してくれていたのに。裁判所や裁判官、刑事…(聞き取れず)に対する不信感を国民の皆さんに感じさせてしまいました。私を育ててくれた裁判所に対しても、申し訳ないことをしたと思います」
=(8)に続く
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