2008年07月24日(木) 11時16分
揺れ小刻み、建物に被害与えにくいタイプ(読売新聞)
最大震度6強を記録した24日の岩手県沿岸北部震源の地震の地震波は、小刻みに揺れて建物に大きな被害を与えにくいタイプだったことが、東京大の解析でわかった。
揺れの大きさを示す震度は人が感じやすい揺れを含む幅広い周期から算出するが、今回の地震には、建物倒壊を招く周期がやや長めの地震波はほとんど含まれていなかった。
同大の古村孝志教授(地震学)は、震源に近い岩手県内で観測された地震の波形を解析。その結果、揺れの周期が0・1〜0・2秒ととても短い地震波が多く観測された。
周期が短いと揺れは小刻みになるため、建物が大きく変形して倒れることは少ないという。ただ、物を急に動かす力に相当する加速度は盛岡市玉山区で1000ガルを超えており、しっかり固定されていない墓石や屋根瓦、棚の置物などは飛ばされたとみられる。
今回の地震で周期がごく短くなったのは、地震がプレート(板状の岩盤)の内部で起き、断層の狭い範囲が一気にずれたためだ。北上山地周辺は、岩盤の上に火山岩が風化した薄い堆積(たいせき)層があり、短周期の地震波が増幅されたらしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000021-yom-sci