2008年07月23日(水) 22時21分
<八王子殺傷>献花の人、途切れず 「許せない」友人ら号泣(毎日新聞)
東京都八王子市の京王八王子駅ビルのショッピングセンター(SC)で起きた無差別殺傷事件から一夜明けた23日、SC前に設けられた献花台には、凶刃の犠牲となったアルバイト店員、斉木愛(まな)さん(22)=中央大4年=をしのび、手を合わせる人たちが深夜まで途切れることはなかった。【堀智行、神澤龍二】
<遅くにごめんね。今ニュースで京八の駅ビル本屋で殺人事件があったって!まなちゃんは大丈夫!?年頃も同じだから心配で!元気だよね!?>
パート従業員、小畑昌美さん(45)=東京都日野市=は22日午後11時すぎ、斉木さんに携帯電話でメールを送信した。テレビが八王子の事件を伝えていた。現場は「啓文堂書店」。斉木さんのバイト先で、年齢も同じことが気になった。しかし、返事はこなかった。布団に入っても寝付けなかった。
朝6時のニュースで亡くなった女性が斉木さんだと知った。「許せない。殺してやりたい」。献花台を訪れた小畑さんは泣きながら花を手向けた。
小畑さんは、2年前まで約半年間、日野市のクリーニング店で斉木さんと一緒に働いた。伝票の整理や接客の覚えが早い。ミスも少なかった。人懐こい性格。仲間から「まなちゃん」と呼ばれ、かわいがられた。当時は大学1年生。「地方から出てきたばかりで心細いんです」。そう話していたが、大学生活は楽しそうだった。啓文堂書店のバイトを始めたのを機に、クリーニング店を辞めた。「本が好き」。うれしそうに話していた。
現場近くに住む会社員の女性(35)は昨年秋、中学2年生だった長女(14)が啓文堂書店で職場体験をしたときのことを忘れない。
担当が斉木さんとみられる学生だった。ニコニコしながら、本の整理やお客さんへのあいさつを優しく教えてくれた。本が好きだからと書店を選んだ長女は、いい思い出ができたとますます読書好きになった。
以来、長女が本を買うのは啓文堂になった。22日の夕方も参考書を買って帰ってきた。数時間後、事件は起きた。女性は「長女は大きなショックを受けて、この場所に来られない。だから私が来ました」と手を合わせた。
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