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2008年07月23日(水) 13時52分

漁業用燃料「ストレートに面倒は見ない」町村官房長官産経新聞

 町村信孝官房長官は23日午前の記者会見で、原油高を受けた漁業用燃料に対する値上がり分の直接補(ほ)填(てん)を自民党の議員連盟などが求めていることについて、「ストレートな、これこれ値上がりしたから、それをまとめて政府が面倒をみますという対策はない。もう少し工夫をした形で対策があり得る。最終的な詰めを行っているところだ」と述べた。会見の詳細は以下の通り。
【原油高対策】
 −−原油高の問題で、漁業関係者に対する燃料について、差額を補填するような案を自民党でまとめているようだが、長官は差額そのものの補填についてなかなか難しいという考えを示していた。政府としては差額補償という観点で議論はしているのか
「今、政府・与党一体で検討を進めております。ストレートな、これこれ値上がりしたから、それをまとめて政府が面倒をみますという対策はないと思います。もう少し工夫をした形で、対策があり得るんだろうと思って最終的な詰めを行っているところであります。ただ、同時に、やはり漁業者のみなさん方が大変困っておられる。その実態もよく理解をしながら、可能な限り何ができるかということで、対策を今、検討しているところであります」
 −−原油高の関連で、与党から臨時国会で補正予算の必要性を言う声が出ているが、政府としてどのように考えているか
「あのー、魚のほうの対策はもともと、6月26日でしたかね。6月末に決めた対策の中に、さらに抜本的な対策を講ずるというのが書いてありまして、それをずっと1カ月詰めてきて、今大体まとまりつつあるという状態なわけですね。で、その他の項目については、さらに今後何をやるかということについては特に書いておりませんので、今、対策を決めてやや1カ月たったところで、どんな、その実行状況にあるのか。たとえば、セーフティーネット融資などについてはですね、7月に対象業種を十いくつ増やすというようなことを決めておりますし、それから、融資のほうもですね、枠を倍増するということを決めて、これも7月7日から確か始めたところですが、まだ実績がどれだけ上がっているかということを問うには少し早すぎますよね。そんなことでですね、対策の実施状況を一定程度まとめて、どんな状況にあるのかということをよく見極める作業から始めなければいけないだろうということで、そういう意味の作業をやっております。したがって、まだ、ただちにですね、これこれの規模の予算が必要だというような状況にはなっておりません。しかし、同時に、やっぱり政府としては大変この原油高で困っておられる、苦しんでおられる方々がたくさんおられるということには深く思いをいたさなければいけませんので、そういう困っておられる方々に、どういうことが常にできるだろうかということをですね、考えながら、今後も、そうした施策の実施状況、あるいはさらに新しい追加対策が必要かどうかということは真剣に考えていかなければいけない。これが基本姿勢でございます」
【無駄ゼロ】
 −−無駄ゼロの有識者会議だが、人選のほうは調整状況どうか
「あの、大体できたんですが、ちょっとお一人だけまだお答えがいただけていないというか、まあ、夏休みであったとかですね、海外に行っておられたとか、いろんな状況があって、まだ未定であります。ごく近いうちに確定をして発表したいと思っております」
【年金機構】
 −−年金機構の採用について、処分経験がある人については採用しないという方針ということだが、採用しない人は分限(免職)処分という形で解雇になるのか。民間に行くのか。厚生労働省に公務員として残ることもあるのか。その辺を政府としてどう考えているのか
「まあ、あのー、人数との兼ね合いもありますんでですね、一律に全部こうするということを決めるわけではないんだろうと思います。一部の方は厚生省で、一部か全部か、そこもよくわかりません。今後のご本人の希望とかですね、いろんなことがありましょうから、よく詰めていかなければいけないと思いますし、実際にこの機構が発足するのは来年でしたかね。再来年かな?再来年の秋だったかな?10月。うん?1月?ですから、まだ時間もありますしですね、その間、お一人、お一人の状況を見ながら、対応を考えていくと。一部の方は厚生労働省で採用ということも、それはあるんだろうと思います。ただ、その場合も年金にかかわる業務には最低限、タッチしないと。そういう職種には就かないということは、それは当然のことなんだろうとは思います。やはり党のほうでもできるだけすっきりした形で、その年金機構をですね、出発させたいという思いが大変強くあることを、また国民のみなさん方の、それが期待するところなんだろうと私も受けとめております」
【北朝鮮】
 −−きょう6カ国協議の非公式外相会談があると思うが、北朝鮮の外相に対して日本政府として接触する場面はあるのか
「特に…、まあそれは、同じ会議にいるんでしょうから、まったく口をきかないというわけでもないんでしょうけれども、何かこう、特段の、その、会談とか、会合とかいうものがセットされることはないと聞いております」
 −−前回の実務者協議で合意した再調査だが、その後どういう話し合いが続けられているのか
「まあ、機微にわたる話なので、お答えは差し控えます」
 −−かなり最終調整というか…
「最終であるかどうかも含めて控えさせていただきます」
【八王子通り魔事件】
 −−東京・八王子市でまた通り魔殺人事件があった。仕事がうまくいかず、むしゃくしゃしたなどと供述しているようだが、政府は秋葉原での事件を受けてダガーナイフ規制を打ち出しているが、今回の凶器が包丁だった点を含めて受け止めは。何か対策の変更等を考える必要はあるか
「まあ、普通の文化包丁というのでしょうかね。まあ、ごくごく、どこの家庭にでもあるような包丁でありますから、これを規制するとかですね、というようなことはちょっと考えられないですね。原因もよく分かりませんし、うーん、まあ、何が対応しうるかどうかということは、今、ただちにちょっと思いつかないわけであります。結局、いかなる規制をしてもですね、ある意味では、後追いのようなことにもなってしまいましょうし、さりとて何もしないわけにももとよりいかない。迂遠なようでもですね、やっぱり人の命の大切さというものをですね、たとえば私も文部大臣をやっていたときに子供、中学生が若い女性教諭を刺し殺した事件がありましたが、そのときも改めて命の大切さというものを教育現場で、あるいは家庭で、社会で、しっかりと教えていく。身につけさせていくというようなことをですね、迂遠なようでも、やっぱりそういうところからやっていかないとですね、何か事件が起きる、さあ取り締まれ、何か事件が起きる、さあ取り締まれということをいくら繰り返してみてもですね、世の中からナイフの類のものを一切抹消するというわけには現実的にいかないわけですから、そういう意味では、気が遠くなるような話ではありますけれども、もう一度基礎に立ち返って、教育から始めていくといったようなことが必要なのではないかなあということを考えさせられます。何かこう、フリーターの人が事件を起こせば、やっぱりフリーターが悪いんだとかですね、何かというと、すぐ、分かりやすいから理屈に付けますよね。確かに、その常用雇用のほうが、随分、気持ち、安定すると、そういうことは確かにあるんだろうと思いますから、それはそれで今もですね、必要な見直しはやっていこうということで、それはそれでいいんですけれども、世の中からフリーターがいなくなれば一切こういう事件が起きないか。そういうわけにはいかない。したがって、地道なことをしっかりやっていくと。他にもいろんな地道な対策はあるんだろうと思いますけれども、そうでなければ多分、なかなかこうした問題への答えは出てこないのかなという気はいたします」

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