2008年07月23日(水) 03時09分
グッドウィル、買収先に口止め料10億円…国税「所得隠し」(読売新聞)
総合人材サービス大手「グッドウィル・グループ」(GWG、東京都港区)が2006年に行った人材派遣会社「クリスタル」(現グッドウィル・プレミア)の買収を巡り、東京国税局から約10億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。
GWGが買収後、クリスタル創業者に支払った「退職慰労金」のうち約10億円について、創業者への「口止め料」で、経費とは認められないと判断された。
GWGは06年10月、投資事業組合「コリンシアンファンド」(港区)などに883億円を出資し、同ファンドを通じて人材派遣最大手のクリスタルの株式67%を取得する手法でクリスタルを傘下に収めた。
関係者によると、クリスタル創業者は同業者への売却の意思はなく、ファンドを実質的に支配していたのがGWGと知って激怒。さらに保有していたクリスタル株式90%の同ファンドへの売却額は約500億円で、同ファンドが巨額の利益を得たことがわかったため、GWGへの不信感を強めていたという。
このため、GWGは07年に創業者に退職慰労金として約30億円を支払うことでトラブルについて和解し、経緯を口外しないよう契約を交わしたとされる。
こうした経緯から、同国税局は約30億円は退職慰労金としては高額過ぎ、うち約10億円は創業者への口止め料などの性質を伴うものと判断したという。GWGによると、グループ全体の申告漏れは07年9月期までの3年間で計約30億円、追徴税額は重加算税を含め約5億5000万円に上る見込み。消費税にも計算ミスがあり、約3億8000万円を追徴されるという。
グッドウィル・グループIR部の話「重加算税を課せられる事態を真摯(しんし)に受け止め、今後は適正な税務申告に努めたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080722-00000069-yom-soci