2008年07月22日(火) 14時08分
教員採用、「コネで決まるのが現実」と言われた記憶(オーマイニュース)
大分県教員採用汚職事件で、県議、教育委員会、校長らを巻き込み多数の逮捕者、疑惑者が出ている。他県でもこれから調査が進むにつれて、同様の疑惑が出てくると推測する。
30年前、私は高校の社会科教員を目指していた。団塊のすぐ後に続く私たち世代は、すでに大量の教職員を採用した後だった。また第2次オイルショック直後ということもあって、公務員、教員の人気が高くたいへんな倍率を勝ち抜かなければならなかった。
そして予定通り落ちた。高校社会科は男性教員が多いため空きが少なく、数百倍の倍率であったと記憶している。
受験前、実習の指導教官だった先生が発した言葉が印象深い。
「議員か教育委員会にコネはないの?」
と聞かれたからだ。
私は耳を疑った。尊敬していた先生からの言葉だっただけに、信じられない思いだった。
「よほど成績がトップの受験生は別だけど、後はコネで決まるのが現実だからね」
と先生は言うのだ。
もちろんそのような知り合いなどいるわけもないが、
「仮にいたとしてもお断りします。そのようなことをして、生徒たちに『教える』という仕事をするわけにはいきません」と答えたのを覚えている。
それから30年が経ち、教科も異なり、英語ではあるが、非常勤で大学などで教鞭を取っている。教職の仕事は自分には合っていると常々思っている。
それにしても現在でも、悪しき慣行がまかり通っていたとは驚きだ。民間企業であればコネで入ったなどの話はよく聞くし、誰を採用しようとその企業の勝手だろう。
しかし公立学校となると話は別だ。教員という知識も力量も要求される職業に、成績を改ざんしてまで入れるとは、言語道断である。
これを機会にすべての地方自治体で、第3者機関を設けるなどして採用の透明性を確保すべきである。
教員のみならず、一般公務員でも同様の悪弊が行われていないかどうかチェックが必要だろう。公務員の給与は市民の税金によって成り立っていることを肝に銘じてほしい。
(記者:浜井 道子)
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