2008年07月22日(火) 13時36分
バス数珠繋ぎで集会阻止──ソウルで目撃(オーマイニュース)
7月16日から3泊4日で韓国のソウルに行ってきた。
直前に竹島問題が起こり、怖い目に遭わなければよいなと思っていた。旅行1日目は何事もなく終わった。
2日目の7月17日は『大韓民国憲法制定記念日』で祝日。午前中、街をぶらぶらしてホテルの部屋に戻ると、机の上にホテルの総支配人名のメッセージがあった。
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「2008年7月17日(木)19:00から00:00まで、ホテルの前のソウル広場(市庁前広場)で市民集会が行われる予定です。今回の集会のため多少の騒音と交通の混雑が予想されますが、この点につきましてご理解ご了承賜りますよう宜しくお願いいたします」
という文面であった。
私が泊まっていたホテルは、よく大規模な集会が開かれる市庁前広場のまん前なのである。混雑に巻き込まれたくないので夕食を早めに済ませて、7時少し前にホテルに戻ってきた。
すると、なんと警察のバスが隙間なく数珠繋ぎにバリケード状に広場を取り囲み、人が入れないようにしていた。
ホテルの従業員に「今日は集会は中止ですか?」と聞くと、「そのようですね」という答えが返ってきた。そこで、「何の集会ですか?」と聞いてみると、「アメリカの牛肉輸入反対の集会です」と言った。
部屋に戻り、バスに取り囲まれた広場を撮影。その後、カメラをしまって広場を見ていると、信じられない風景を目撃した。
10人くらいの警察官がVサインをして写真撮影しているではないか! あわててカメラをケースから出したが、時すでに遅し。シャッターチャンスを逃してしまった。
バスに囲まれて、外の人からは見えないが、ホテルの客からは丸見えなのだ。他国の警察官とはいえ、信じられない行為だ。広場から市民を締め出してVサインで写真を撮るのも理解できないし、高い場所から見えるだろうことも考えずにそういう行為をすることも理解できない。また、くわえタバコで警備に向かう警察官も何人か目撃した。日本では考えられないことだ。
結局、集会終了予定時間の深夜0時になっても、ここでは集会は開かれることはなかった。
夜中に、外がうるさくなったので見てみると、広場を取り囲んでいたバスの移動が始まった。(深夜2時50分ごろ)まず、1番端のバスが移動、その後、角のバスが移動、真ん中のバスは3台連なって移動……。3時4分ごろには最後のバスが広場から離れた(暗かったので写真撮影は断念)。
4時20分頃、また外が騒がしくなったので見てみると、50人ほどの人が旗を振りながら道路を行進していた。本当は集会に参加するはずの人だったのであろう。
今回の集会(デモ)の名目は一応米国産輸入牛肉問題だが、どうもそれだけではなく、竹島問題やその他、韓国政府への不満などいろいろな不満がごちゃまぜになっていたようである。
日本では少人数のデモはあっても、大規模なものは30年ほど行われていない。日韓の市民意識の違いを感じた旅であった。
(記者:松山 紀子)
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