政府は二十日、全国に約三百二十ある市民向けの政府系相談窓口を「消費者問題」「労働問題」「行政サービス」の三グループに分け、それぞれ本年度中に中央に「統括情報窓口」(仮称)を設けてネットワーク化を進める方針を固めた。中でも悪質商法の被害などを扱う「消費者問題」関係は来年度には、創設される消費者庁をネットワークの中心に置く予定。
政府系の相談窓口は担当分野が細分化されている上、これまで相互の連携がなかったため、利用者から「どの窓口に相談すればいいのか分かりにくい」「相談してもたらい回しにされる」などの苦情が後を絶たなかったことに対応する措置。
ネットワーク化は福田康夫首相が掲げる「国民目線の行政」への転換の一環で、中国製ギョーザ中毒事件などのケースへの対処を迅速化する狙いもある。
本年度中に「消費者問題」関係は国民生活センターに統括情報窓口を設置。労働条件や職場でのいじめ、セクハラ(性的嫌がらせ)などの相談を扱う「労働問題」関係は厚生労働省、「行政サービス」関係は総務省にそれぞれ統括情報窓口を置き、いずれもわかりやすいホームページを開設。地方自治体と緊密に連携する。
寄せられた相談を政策に反映させるために、定期的に各省庁の審議会に報告するほか、職員間でも情報を共有できるようパソコンでの閲覧などの体制整備も検討する。