2008年07月19日(土) 12時47分
勝手に古紙持ち去り 回収業者の有罪確定へ(産経新聞)
東京都世田谷区のごみ集積場から古紙を勝手に持ち去ったとして、区清掃・リサイクル条例違反の罪に問われた古紙回収業者の男(48)の上告審で、最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は、男の上告を棄却する決定をした。決定は17日付。罰金20万円とした2審東京高裁判決が確定する。
世田谷区での古紙持ち去り事件では計12人が正式起訴された。裁判はほぼ同じ争点で争われ、1審東京簡裁ではこの被告を含む7人が無罪、5人が有罪になった。2審では全員が有罪を宣告されて上告。この決定は初めての最高裁判断で、ほかの被告の裁判にも影響を与えるとみられる。
区条例は「所定の場所」から古紙などを勝手に持ち去った場合、20万円以下の罰金と定めている。被告側は「条例の『所定の場所』という文言では、古紙持ち去りが禁止されている場所が分からない。不明確な条例で罰することは憲法違反」などと主張していた。
第1小法廷は「『所定の場所』がごみ集積場を指すことは明らか。条例が不明確だとはいえない」と指摘。さらに「被告が古紙を持ち去った場所には『資源・ごみ集積場』との看板があった」と述べ、被告側の主張を退けた。
古紙は中国での需要増加などを背景に価格が高騰。勝手に持ち去る業者が増えたため、世田谷区は平成15年、区条例に罰則付きの規定を盛り込んだ。
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