弁護士資格がないのに自己破産申し立てなどを行って報酬を受けたとして、横浜地検川崎支部が、元相談事務所経営者を、弁護士法違反(非弁行為)の罪で横浜地裁川崎支部に起訴していたことがわかった。起訴されたのは埼玉県熊谷市、無職田中喜代司被告(56)で6月3日付。17日に開かれた初公判で、田中被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
起訴状によると、田中被告は東京都文京区で多重債務者の相談事務所「七転び八起きの会」を設立し、2004年6月〜07年1月ごろ、弁護士資格がないのに、債務者に自己破産申し立て手続きを教えて書類を作成し、地裁川崎支部に提出させるなどの法律業務を行ったとされる。
17日の初公判の冒頭陳述で、検察側は、田中被告が多重債務者の破産手続きなどを行って、1人当たり50万円程度の報酬を受け取っていたとし、3年間で少なくとも172件の相談を受けて、23件の自己破産手続きを行ったとした。
この後、弁護側証人として、同会の経理をしていた田中被告の妻が証言。田中被告について「損得なしで困った人を助ける性格」と述べたが、加登屋健治裁判官が「もし本当に困っている人を助けるとしたら、何十万円も取らない。社会常識としても、言い逃れにしか聞こえない」と指摘する場面もあった。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080718-OYT8T00129.htm