2008年07月18日(金) 11時01分
川崎大師で厄よけと夏の涼(オーマイニュース)
川崎大師風鈴市が、17日から始まった。日本全国から約800種類、約3万個の風鈴が一堂に勢ぞろいし、風に吹かれて「リンリン」「チンチン」「コロンコロン」「キンキン」…… あちこちで高音階の音色を奏でている。期間は週明け21日まで。
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「どんな音を出しているんですか」と売り手に聞くと、「いろんな音だね。寄ってらっしゃい、買ってらっしゃい」と鳴っているんだと笑う。
今日は風が強く、風鈴もかなり揺れている。「こうたくさん鳴ると、かえってうるさいぐらいだね」と法衣(ほうい)をまとった人が楽しそうに笑っている。
風鈴といってもバカにならない。ガラスに金魚や果物などが描かれた物しか見たことがなかったが、ここに来れば芸術品に近い物もあるし、特産物でつくられた物もある。極め付きは純金製の風鈴も特別出展されていた。
なぜ、川崎大師と風鈴なのか。
お寺の人に聞くと「あそこに観光協会の人がいるから聞いてください」という。境内に出ている観光協会のブースに行き聞くが、要領を得ない。帰りに駅の近くの観光協会によって聞くがここでも「分かりませんが、活性化のためでしょう」というだけだが、縁起物か厄よけの意味があるのだろう。
帰って調べてみた。江戸風鈴の篠原風鈴本舗のウェブサイトで由来が分かった。
それによると、中国では物事の吉凶を占う道具として占風鐸(ふうたく)というらしい。わが国では寺の四隅にかかっている風鐸がそれで、ガランガランと鳴る音が厄よけとして使われた。平安、鎌倉時代に縁側に下げて疫病神の侵入をのぞいたという。ガラス製になったのは、1700年ごろ長崎のガラス職人が見せ物として伝えたからだという。
川崎大師は、厄よけ大師として、ガラス製の「厄よけダルマ風鈴」をオリジナル品として出品しているのだ。絵は内側から描かれ、切り口がギザギザになっているので当たるところにより音色がちがうという。
由来ぐらいは関係者として知ってておいて欲しいと思うが……。
古くなった風鈴や壊れてしまった風鈴は、感謝の気持ちを込めて納め所に納めてくださいという。法楽の後、分別リサイクルされる。ここでも資源保護対策がされているのだ。
(記者:矢本 真人)
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