2008年07月17日(木) 15時18分

＜埼玉保険金殺人＞八木被告の死刑確定へ　最高裁が上告棄却（毎日新聞）

　埼玉県本庄市の保険金殺人事件で、２件の殺人罪などに問われた元金融業、八木茂被告（５８）に対し、最高裁第１小法廷（泉徳治裁判長）は１７日、上告を棄却する判決を言い渡した。１、２審の死刑判決が確定する。

　八木被告は一貫して無罪を主張。被告の指示で実行役として共謀したとする武まゆみ受刑者（４１）＝１審で無期懲役確定＝の証言の信用性が最大の争点だった。弁護側は「否認していると死刑になると脅迫されたことによる虚偽の自白で、信用できない」と上告していた。

　１審・さいたま地裁は０２年１０月、武受刑者の証言を「具体的かつ迫真性に富んでいる」と判断、八木被告を首謀者と認めて「犯罪史上例を見ない巧妙で悪らつな犯行」と指摘した。２審・東京高裁も０５年１月、「共犯者の供述は具体的かつ詳細で十分信用でき、１審判決に誤りはない」と支持した。

　１、２審判決によると、八木被告は９５年６月、元工員の佐藤修一さん（当時４５歳）にトリカブトの根を混ぜたあんパンを食べさせて中毒死させ、自殺と虚偽申告して生命保険金計３億円余をだまし取った＝殺人、詐欺罪（２）元パチンコ店員の森田昭さん（当時６１歳）に風邪薬と酒を大量に飲ませ、９９年５月に死亡させた＝殺人罪（３）９８〜９９年に元塗装工の男性（４７）を同様に殺害しようとした＝殺人未遂罪。

　事件では、被害者と偽装結婚して酒を飲ませるなどしたとして他の女２人も起訴され、１審で懲役１５〜１２年が確定している。【北村和巳】

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