2008年07月17日(木) 11時54分
いらっしゃいませ、宮崎県産のソフトクリームです(オーマイニュース)
7月14日、宮崎県庁を訪れる観光客や地元の人たちをもてなそうと、県庁本館の前庭に期間限定のカフェテラスがオープンしました。
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県庁カフェテラス、昨年、東国原英夫宮崎県庁の発案で始まりました。県内の事業者がソフトクリームやジュースなどの販売を行っていましたが、今年は、障害者自立支援の一環として、宮崎県知的障害者福祉協会で組織する「歩一歩の店」に販売を委託しました。
県内の障害福祉サービス事業所で、主に商品販売や接客業を行っている4つの事業所の障害者と事業所の職員が交代でソフトクリームの販売を行っています。
7月15日のお昼前、すでに気温は30度を超えるなか、私は県庁カフェテリアに足を運びました。県庁前の楠並木がほどよい木陰をつくり、吹く風も心地よく感じました。県庁本館の正門を入った右側に、「県庁カフェテリア」と書かれた看板があり、「ここは県庁か」と思わせるような植物が茂っている中を入っていくと、販売所が見えます。
お昼ということもあり、ソフトクリームを購入する人は少なかったのですが、「いらっしゃいませ! 宮崎県産の牛乳を使ったソフトクリームです!」という元気な声に、ワッフルコーンに入ったソフトクリームを注文しました。
職員に助けられながら、スタッフの人は慎重にソフトクリームを作っていました。「おまたせいたしました!」と渡されたソフトクリームは、濃厚な味でおいしかったです。昨年、ここでソフトクリームを販売していた市内の業者がサポートしているとのことです。
お客さんの様子を見ながら、職員の方にお話をお伺いしました。
———今回、歩一歩の店さんがこのカフェテリアを運営することになりましたが。
「そうですね。障害者の就業支援の一環として、今回、県庁カフェテリアでソフトクリームを販売させていただいていますが、商品の販売を通して、いろいろな人と接することは非常に良い経験になるのではないかと思います」
———普段、「歩一歩の店」さんの名前を見かけることがあります。
「はい。大型ショッピングセンターのイベントとして、いくつかの福祉事業所が集まって販売を行っています。いろいろな機会を利用して、障害者のみなさんの良い経験になるとともに、就業支援につながるようにと事業を展開しています」
「いらっしゃいませ!」
お昼ごはんを済ませたらしい方々が、ソフトクリームを求めにやってきたようで、一時、インタビューを中断して、スタッフのみなさんの様子を見ました。2名の職員に助けられながら、4名のスタッフのみなさんは、なんなく接客業務をこなしていました。
———スタッフのみなさんは交代されるのですか。
「はい。今回は4つの福祉事業所さんがこの事業に関わっていますので、ローテーションを組んで販売を行うようにしています。今は暑いので、ソフトクリームだけにしていますが、そのうち飲み物も販売も考えているところです」
「ありがとうございました。がんばってください」と声をかけて、カフェテリアをあとにしました。
宮崎県では、「みんなで支え合う福祉社会」という政策名で、1990年度(平成2年度)より「歩一歩の店推進事業」を展開しています。
歩一歩の店は宮崎県民に認知されるようになり、成果も挙げています。これからも授産製品等の販売や就業支援事業の充実を図り、障害者のみなさんが自立できるように、さらに事業をすすめてほしいものです。
この県庁カフェテラスは、平日の午前9時30分から午後4時までで、9月30日まで行われます。メニューは今のところソフトクリームのみで、300円です。
【記者注】記事中の障害者の表記は、宮崎県の表記に準じました。
(記者:大谷 憲史)
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