十六日午後零時五十分ごろ、愛知県豊田市の東名高速道路上り線豊田インターチェンジ付近を走行中の名古屋発東京行きのJR東海バスの高速バスから「刃物を持った少年が運転席の後ろにいる」と、同社を通じて一一〇番があった。
少年は運転手の首に果物ナイフ(刃渡り約十センチ)を突き付けバスを乗っ取り、午後一時十分には自ら携帯電話で「おれはバスジャックした」と一一〇番した。
県警のパトカーがバスを見つけ、愛知県岡崎市の
調べでは、少年は山口県宇部市の中学二年(14)。「親に怒られ、嫌がらせでやった。世間を騒がせたかった」「ただ走りたかった。刃物は百円ショップで買った」と供述しているという。
少年は警察官の説得に興奮したり、抵抗したりした様子はなかった。果物ナイフのほか、ペティナイフ(刃渡り約十二センチ)も所持し、黒い上着にサングラス姿だった。十五日未明に宇部市の自宅を家出し、同日昼ごろ、家族が捜索願を出していた。
バスには東海バスの男性社員(41)が偶然乗っており、異変に気付き、同社に一一〇番するよう携帯電話で依頼した。
JR東海バスによると、バスは三十八人乗りの二階建て。十六日正午に名古屋を出発し、午後六時ごろ到着予定だった。