2008年07月16日(水) 22時19分

＜バスジャック＞１４歳少年を逮捕　愛知・東名高速（毎日新聞）

　１６日午後０時５５分ごろ、愛知県豊田市の東名高速道路上り線豊田インター近くを走っていたＪＲ東海バス（名古屋市中川区）の高速バスから、乗客として乗り合わせた同社の男性社員（４１）が「運転席の後ろにナイフを持った男がいる」と同社を通じ県警本部に通報した。県警は美合（みあい）パーキングエリア（同県岡崎市保母町）にバスを誘導し、男を説得。同１時５５分ごろ、捜査員が車内に突入して男を監禁と銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した。

　逮捕されたのは山口県宇部市の中学２年の少年（１４）。調べでは、親にしかられ１５日未明に家出、家族が同日正午ごろ、山口県警宇部署に家出人捜索願を出していた。愛知県警の調べに「しかられたので、親に嫌がらせをしてやろうと思った」などと供述しているという。

　少年は果物ナイフ（刃渡り約１０センチ）とペティナイフ（同１２センチ）を運転手の首に突きつけ「走れ」などと要求。同社の通報から約１５分後、運転手の携帯電話を使って自分で「バスジャックした。パトカーが追尾しているのを知っている」などと１１０番した。バスはその後、高速道路上で停車。パトカーで駆けつけた捜査員が約５キロ先の美合ＰＡに誘導し、ドア越しに少年を説得すると、少年はナイフ２本を座席近くに置き、乗客を解放した。捜査員が突入した際も抵抗しなかった。

　少年は黒の長袖シャツに紺色のジーンズ、黒のサングラス、黒のサンダルを着用。取り調べには落ち着いた様子で応じているといい、県警は詳しい動機やナイフの入手方法などを追及する。

　少年は会社員の父親（４２）、母親（４１）、妹（１２）の４人家族。宇部市教委によると、中学で学級委員長を務め、ソフトテニス部に所属している。

　バスには男性運転手（３９）と乗客計１１人が乗っていたが、けが人はなかった。バスは名古屋駅発東京駅行き高速バス「スーパーライナー」号（２階建て）で、正午に名古屋駅を出発。午後６時過ぎ東京駅に着く予定だった。少年は名古屋駅から乗車していた。【秋山信一】

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