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2008年07月15日(火) 00時00分

スマートフォン デザイン、機能で進化競う読売新聞

 パソコン並みの機能を備えた携帯電話「スマートフォン」は機能とデザインが進歩し、最近は個人向けにも普及し始めた。急成長しそうな市場をにらみ、PHS(簡易型携帯電話)大手のウィルコムと、ソフトバンクモバイルが新商品でしのぎを削っている。(山本貴徳)

 スマートフォンは、パソコンと同じキーボード配列のものが多く、「ワード」や「エクセル」などの文書ファイル編集や長文のメール作成が手軽にできる。パソコン向けのインターネットサイトも閲覧可能だ。

 欧米で先行普及したスマートフォンが国内に本格登場したのは2005年12月。ウィルコムの「W—ZERO3(ダブリュー・ゼロ・スリー)」シリーズが米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズ」を搭載、ビジネスマンを中心に人気を集めた。


ウィルコム

 ウィルコムが同シリーズの最新機種として6月27日に発売した「WILLCOM 03」=写真左=は、「女性に手に取ってもらえるようにデザインやサイズを決めた」(早坂忍・サービス計画部課長補佐)端末だ。

 色はピンク、ライム、ゴールドの3種類で「定番」の黒やグレーを外し、縦の長さを従来機種より14%短い手のひらサイズとした。携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」用チューナーを内蔵し、ワイヤレスヘッドホンで音楽も楽しめる。


ソフトバンクモバイル

 一方、ソフトバンクモバイルの最新機種「X02NK」=写真右=は、携帯端末としては高水準の504万画素カメラを搭載。全地球測位システム(GPS)で道順を検索したり、FMラジオを聴いたりすることもできる。商品企画部の岡健太郎さんは「幅広い消費者に支持されるよう動画、音楽などの機能強化に力を入れた」と話す。

 ソフトバンクモバイルが11日に発売した米アップル製「iPhone(アイフォーン)・3G」も、ネット経由でソフトを追加できたり、書類ソフト「パワーポイント」の閲覧ができたりするなど、スマートフォン並みの高い機能を備えている。

 調査会社のロアグループ(東京)によると、スマートフォンの出荷台数は2010年には600万台と、06年の10倍に達する見通し。NTTドコモとイー・モバイルはすでに販売しており、KDDIも参入姿勢を見せている。端末を読み取り機にかざして代金を支払う「おサイフケータイ」など、携帯電話機では一般的となった機能が搭載されていないものの、今後は機能の充実も進みそうだ。

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20080715nt02.htm