2008年07月14日(月) 12時00分
創業100年超が10万社以上!日本に老舗企業が多いワケ(R25)
先日ニュースにも取り上げられ、一部で話題にもなったが、日本には現在、創業100年以上の会社が10万社以上あるという(横澤利昌・編『老舗企業の研究』より)。また、創業200年以上の会社も約3000社ある。次いでドイツが約800社、オランダが約200社だから、日本がいかに老舗企業大国かがわかる。でもなぜ日本に老舗企業が多いのか?
「日本は極東の島国で、歴史的に見て侵略や戦争の経験が少ないというのがひとつの理由です。蒙古襲来も水際で撃退しましたし。戦乱が続く不安定な国では、商売を続けることが困難なのです。また、日本人は継続を美徳とする価値観を持っています。会社を長く続けることを誇りに思う人が多いし、同じものを作り続ける職人がこんなに尊ばれている国は、アジアでは日本くらいでは?」(アジアの老舗企業状況に詳しいジャーナリスト・野村進さん)
日本の老舗企業の約半分にあたる4万5000社の製造業を支えてきた職人たちは、伝統を重んじる文化と、織田信長の楽市楽座や江戸時代の徳川幕府に見られるように、時の権力者に守られ、仕事に専念することができたのだ。
そして現在、日本には世界最長寿の企業とされる社寺建築の金剛組をはじめ、創業1000年以上の会社も7社存在する。では、日本の老舗企業に共通する点とは?
「一族経営の企業も確かに多いのですが、血族にこだわらず、3代目あたりで養子を入れた企業が長続きする傾向にあるようです。『老舗の土台を築くのは、3代目あたりの養子』という言葉もあるほどです。明治32年創業の金箔業者・カタニ産業や、明治18年創業で現在はケータイのバイブレーション機器で有名な田中貴金属などがまさにそうですね」(同)
また、老舗企業の社訓には、「分をわきまえろ」や「分相応」などの言葉が目立つそう。長く続くには、それ相応の理由があるのである。
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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