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2008年07月13日(日) 08時00分

魚離れ拍車も 15日に全国一斉休漁産経新聞

 燃料費高騰に苦しむ窮状を訴えようと、全国の漁業団体傘下の漁船が15日、一斉休漁する。1日限りのため、売り場やすし店から全く魚がなくなることはなさそうだ。ただ、供給不足が続けば魚の価格上昇に拍車がかかるおそれがある。消費者の魚離れが進む可能性も否定できない。

 首都圏で展開する中堅スーパーのサミットでは、イカ釣り漁船が休漁した6月にイカの価格が前年に比べて10%上昇、売り上げは1割落ちた。同社は「休漁が続けば影響がある。ウナギの産地偽装もあり、消費者心理は悪くなる」と話す。

 一斉休漁では2万〜3万トンの水揚げが止まる見込みだ。大手スーパーのイトーヨーカ堂では「当日か翌日は近海の生魚はなくなる」という。ただし、養殖のタイなどを事前に物流拠点に移動、冷凍イワシなども用意しており、魚種は減るが、売り場がガラガラという状況は避けられる見込みだ。

 一方、回転すし大手のくらコーポレーション(大阪府堺市)は今回の休漁について「短期的には影響がない」と話す。それでも、世界的な需要の高まりなどを背景に、マグロなど魚の価格上昇が年間数億円のコスト増になっているため、デザートなどを充実させてすしの構成比を下げるなど工夫をしている。

 ガソリン値上げで、消費者は外食を控え、自宅で食事する“内食”に回帰している。「魚がなければ、お客さまは他の食材を買うだけ」(大手スーパー)との声もあり、価格高騰を嫌う消費者の魚離れが進む可能性もある。

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