2008年07月10日(木) 18時09分
高齢者に優しいパソコンの使い勝手は?(オーマイニュース)
7月7日。私が講師を務めるパソコン講座で、2時間のクラスが終わった後、私の母と同じ年ほどの受講生が私のそばにやってきた。
「先生、最近、高齢者に優しいパソコンができたと聞きましたが、高齢者向け携帯電話のように簡単に使うことができるのでしょうか」
この前、テレビでこのことを取り上げていた。パソコンの出荷が伸び悩んでいる中で、今後のターゲットは高齢者だということで、ドコモの「らくらくフォン」で高齢者向け携帯電話の実績がある富士通株式会社が、「FMVらくらくパック」を打ち出している。
コンセプトは、「使いやすい」「おまかせ」「かんたん」「あんしん」の4つである。「使いやすい」は、大画面で見やすい、簡単に接続することができる、持ち運びが自由である、パスワードなどの入力が簡単である等である。
「おまかせ」は、いわゆる「パソコンの訪問セットアップ」のことで、富士通の場合、2回訪問することになっている。1回目の訪問では、パソコンのセットアップと基礎レッスンで90分。2回目の訪問は、インターネットとメールのセットアップと選べるレッスンまたは代行サービスとの組み合わせで120分となっている。2回目の訪問は、@nifty回線を申し込んだ場合にのみ行われるとのことである。
「かんたん」では、やりたいことをすぐに始めることができる、簡単メニュー「@メニュー」を搭載していることである。これがテレビニュースに取り上げられ、受講生さんが気になったところである。
「@メニュー」には、大きく3つのメニューがある。
(1)インターネットを見る
(2)Eメールを送受信する
(3)年賀状や暑中見舞いを作る
である。ほかにもヘルプや使い方のメニューも搭載している。
高齢者がよく使うであろう3つのメニューを分かりやすく表示することで、パソコンを簡単に使うことができるようにしている。らくらくパック専用のホームページもあり、サポート体制も整備されているようである。
「あんしん」は、らくらくパック専用の電話サポートのことだが、これまでの電話サポート以外に、インターネット回線を利用したリモートサポートも用意されている。
受講生さんは、パソコンそのものがすべて高齢者仕様に変わるのではないかと期待していたが、液晶画面は大きくなったが、相変わらずキーボードやマウスはある。ソフトウエアとして高齢者をサポートしようとするサービスで、パソコンすべてが変わるわけではない。
受講生さんの話によると、キーボードから日本語を入力することが大変だということである。音声入力パソコンが市場に出回っていない以上、これまで通りにキーボードやマウスを使うことには変わりはない。
ちょっとがっかりされたようだが、「私がいますから、何か困ったことがございましたらご連絡をください」と伝えた。
電話やインターネットでのサポートよりも、やはり身近にいる人からのサポートが一番安心ということだろうか。
(記者:大谷 憲史)
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