2008年07月10日(木) 12時36分
エイズ予防、学生が自転車で啓発イベント(オーマイニュース)
「エイズについてもっと知ろう、知ることから始めよう」——。7月5日、東京・神奈川の大学生たちが、横浜・みなとみらい地区で、自転車に乗りながら歩行者らに呼びかけた。
自転車を意味する“チャリンコ”と“チャリティー”を合わせた「チャリチャリ」と呼ばれるこの活動は、学生団体「ピーススマイル」が主催する。今回で4回目。活動に賛同するボランティアも参加し、約40名の啓発チームを編成した。
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団体創設者の山ノ内凜太郎元代表(立教大 3年、22歳)は「僕たちの活動は、命にかかわるもの。重いものを抱えてることを忘れないで」と出発前のボランティアに呼びかけた。
ボランティアは啓発のメッセージを叫びながら自転車をこぎ、「山下公園」「横浜ジャックモール」「横浜ワールドポーターズ」の3カ所を「啓発ポイント」とし、買い物客らにクイズ形式でエイズ理解を訴えた。
声をかけられた若者たちの中には「エイズにかかると死んじゃうの?」「体外射精なら大丈夫じゃないの?」と驚く人たちもいた。ボランティアたちは「これで大切な人を守ってください」とコンドームを手渡した。
HIV感染者を年代別に見ると、20〜30代の“働き盛り”の人たちが約70パーセントと多数を占める(厚生労働省エイズ動向委員会、平成19年エイズ発生動向年報より)。
昨年11月10日発表の「渋谷におけるハイティーンの性およびSTD(性感染症)に関する意識・実態調査」(「STOP! STDを考える会」調べ)によると、渋谷駅周辺に集まる高校3年生の71.2パーセントが性交渉の経験があり(1人当たり平均3.5人)、31.8パーセントはコンドームが性感染症防止に有効であることを知らなかった。また、性感染症を説明できるのは全体の38.4パーセント。16.5パーセントは性感染症という言葉を「聞いたこともない」と返答している。
清綱春香代表(桜美林大3年、21歳)はインタビューで
「エイズは若者を中心に感染が広がっている。私たち若者が、動かないといけない」
と意気込む。
日本は先進国の中で唯一HIV感染者・エイズ患者が増加しており、“感染爆発”を憂う声も多い。全国各地では「チャリチャリ」を含めさまざまな啓発活動が若者たちの手によって展開されている。若者の意識を変えるには、ほかならぬ「若者の声」が必要なのかもしれない。
(記者:山本 宏樹)
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