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2008年07月09日(水) 02時30分

<教員採用汚職>江藤容疑者の改ざん、県教委上層部の指示?毎日新聞

 大分県の教員採用試験を巡る贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された県教委義務教育課参事の江藤勝由容疑者(52)が、08年度の採用試験で行った点数加点などの改ざんはほとんどが県教委内の上司の指示で行われた疑いの強いことが分かった。江藤容疑者は07年度と08年度の採用試験で、少なくとも35人以上を合格させるよう口利きを受けていたことが分かっているが、県警の捜査も今後、県教委上層部の関与の有無が焦点になるとみられる。

 関係者によると、江藤容疑者は、合格させるように指示する上司に、受験者の成績一覧表を提出。上司は合格させたい人間に印を付けて江藤容疑者に戻して、意向を伝えていたという。08年度の採用試験では、江藤容疑者は15人前後の受験者について、点数を増やすなどの改ざん行為を行ったとみられており、県教委にはこうしたシステムが相当以前からあったという。

 江藤容疑者は、採用試験の実務を担当する義務教育課人事班に入った当初、「うわさでは聞いたが、入ったら本当にあった」と関係者に話していた。

 大分県の教員汚職事件では、逮捕された5人のうち4人が同県佐伯市内の県教委の出先事務所や小・中学校に長年勤務していた。また、08年度の管理職任用試験で、江藤容疑者に金券を贈ったとして、8日に自ら県警佐伯署に出向き、事情を説明した女性校長と2人の教頭も同市内での勤務経験があり、県警は、事件の背景に癒着を生み出すネットワークがあったとみて調べを進めている。

 3人は8日、県警佐伯署に出向いて任意で事情を説明し、9日午前0時前に車1台で同乗して同署を出た。

 3人のうち教頭に昇任した男性は8日朝、佐伯市内の自宅で毎日新聞の取材に応じた。金券50万円を江藤容疑者に贈ったことを認め、「事件が表面化して良心のかしゃくがあった。子どもにも『うそを言ってはいけない』と言っているので、警察に話すことにした」と話した。

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