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2008年07月08日(火) 12時00分

食品の値上げは止まらない!?ボクらのエンゲル係数大予想!R25

新聞の一面を飾る食料サミットの見出しや、テレビを賑わす物価上昇のニュース。でも、普段足を運ぶコンビニや定食屋で、値上げって感じてます? 原油高やバイオ燃料が原因っていわれても、イマイチ実感がわかないし…。なぜ、メディアはこぞって食品価格の高騰に注目しているの? 生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんに聞いてみた。

「世界的に値上がりが始まったのは2006年ごろ。さらに近年、中国やインドなど新興大国の経済急成長により、食品の価格が上がっています。農作物の生産力が急に上がることはありませんから、世界中で取り合えば当然、価格は上昇します。中国の人口13億人すべてが肉を食べるようになれば、世界は食料難に陥るという説があるほど。必要な肉の量が増えれば、飼料となる穀物の量を増やさねばならない。穀物を植える代わりに他の野菜などが減る。つまり、供給バランスが崩れてしまうわけです」

値上げの原因がそれだけではないというのは、経済アナリストの平野和之さん。

「世界人口は現在66億人。いずれ、100億人に増加すると予想されています。となると、限りある資源の価格が上がることは明白。食料品や原油の先物取引が活発化し、さらに物価上昇を促す…という悪循環が起きているのです」

そのうえ、ウクライナが小麦を輸出規制したように、各輸出国とも自国の食料を守ろうとする動きもある。これらの結果、供給可能な食物量に対して、需要が大きく上回っているのだ。でも、いまのところボクらのサイフは痛んでいないんですよね…。と、そこに和泉さんがピシャリ!

「それは、いままで価格上昇を抑えるために企業が努力してきたからです。原材料費を最低限まで削り、リストラで人員削除をし、どうにかこうにか価格を保ってきた。ときに、会社自体が赤字をかぶっても、です。しかし、いまや企業もダイエットをし尽くした状態。企業側にとって、価格を上げるのは正真正銘の最終手段なんですよ」

もちろん、価格を維持していた前提は他社との販売競争。にしても、ボクらの生活にまで値上がりが影響しなかったのは、そのおかげだったのか! しかも、「リストラ」と聞かなくなったのは、もうする人がいないから!? それ、もしかして冗談抜きで深刻なんじゃ…。下半期、ボクらのエンゲル係数はどうなっちゃうんですか?(泣)

「食品の値上がりは、まだこれから。年末には、どの飲食品も1割〜2割は高くなるでしょう。1杯370円のコーヒーは450円に、1杯480円の中ジョッキは580円になる。もちろん先物取引が規制されれば、物価暴落の可能性もなくはない。ただ、その可能性は低いですね」(平野さん)

さらに、和泉さんはR25世代を「これからずっと値上がりに付き合っていかねばいけない世代」だという。怖ッ! ボクらの未来はいったいどうなっちゃうの? “08年は、飽食の時代の終焉”なんて歴史の教科書に書き込まれる未来も、絵空事じゃなさそうですよ…。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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