世界で百万ドル(約一億一千万円)以上の資産を保有する富裕層人口は、二〇〇七年末時点で前年比6・0%増の千十万人になったことが七日、米大手証券メリルリンチなどの調査で分かった。一千万人を超えたのは初めて。
原油高で潤った中東地域の富裕層が15・6%増の四十万人と大幅に増えたほか、高成長の続くインドや中国など新興国でも伸びが目立った。輸出が好調だった日本の富裕層は2・2%増の百五十一万人だった。
国別の増加率トップはインドで、22・7%増の十二万三千人。次いで中国が20・3%増の四十一万五千人、三位はブラジルで19・1%増の十四万三千人だった。
世界の富裕層の保有資産残高(居住用不動産を除く)は、9・4%増の四十兆七千億ドルに達した。三千万ドル以上の資産を保有する「超富裕層」は、世界で8・8%増え十万三千三百人となった。
富裕層の保有資産は一二年までに五十九兆一千億ドルに達する見通しという。メリルリンチ日本証券(東京)は「先進国の景気減速と新興国のインフレリスクをどう克服するかが課題」と指摘している。