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2008年07月07日(月) 02時30分

<大分・教員採用汚職>昇任などの人事異動で金品授受毎日新聞

 大分県の教員採用試験を巡る汚職事件で、県教委義務教育課参事、矢野哲郎容疑者(52)=贈賄容疑で再逮捕=が3月、佐伯市内の小・中学校長から参事(課長級)に昇進する際、県教委の現職幹部に金券20万円を贈っていたことが分かった。幹部は毎日新聞の取材に「警察が調べていると思う」と授受を認め、趣旨は「あいさつ」名目と説明。さらに昇任などの人事異動に絡んだ金品授受が他にも行われていることも証言した。

 関係者によると、矢野容疑者が幹部に金券を贈ったのは今年3月。異動は翌4月だったが、昨年10月には参事就任がほぼ内定していたという。

 県教委職員の人事や校長などの管理職への昇進を巡り、関係者は「人事の前後には、モノ、金が動く」と指摘し、金品授受の横行する体質が今回の採用試験を巡る汚職事件につながったとみられる。

 矢野容疑者は78年に教員採用され、途中、県教委の中津教育事務所や佐伯市教委で勤務した以外は、佐伯市内の小、中学校で勤務していた。

 幹部は取材に対し「異動してお世話になりますという趣旨だったと思う」と話した。また、県内の教育界で人事異動に際し、金品の授受があるかについては「そのような場合もある」と話した。

 一方、当時採用の実務を担当していた県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)が、08、07年度の小学校の教員採用試験で少なくとも35人を合格させるよう口利きを受けていたことが分かった。うち08年度は約20人で、1、2次とも約15人の点数を加点した。07年度は約15人分の依頼を受け、うち約半数以上の点数を加点するなどして合格させたとみられる。

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